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「A起きて、着いたよ〜」



あれからどのくらい車で走ったのだろうか

とにかく緊張をほぐそうと色々試したが
何も思いつかなかったので
結局寝る、という結論にたどり着いて寝てしまった



まーじでどこだろうここは



「テレビ局。この後バラエティの撮影なんだよね」

「……裕太、私の心読めるようになったの?」

「可愛いAの顔に書いてあったの笑」



むにっと私の頬を両手で挟む



「あははっ変な顔笑」

「ゆーたがはしゃんでるんでひょ」

「確かにそーだわ」



後列の座席に置いていた荷物を持ち
車を降りて着いていく



地下の薄暗い雰囲気を漂わせる蛍光灯が光る廊下。
運良くこの階に止まっていたエレベーターに乗りこむ



「誰かに合っても堂々としとくんだよ。あ、玉森裕太の彼女ですって言っていいからね」

「え、、、うん。無理かな」

「おっけ。よろしくね」

「裕太耳ついてる?」

「冗談だって笑」



あははっと笑う裕太
その笑顔につられ少し頬が緩む



しかし、一見落ち着いて見えるけど
正直そろそろ心臓爆発しそう。



ちゃんと挨拶できるだろうか。

うだうだして、変な子だって思われて
そのまま裕太にも変な印象付けられたりして
今後のお仕事減っちゃったら?
そんなことになったら、きっと裕太とも…

そんなネガティブな方にしか考えられない



すると私の方に裕太が手を伸ばしてきて
軽くクイッと顔を上げられる



そこには心配そうな顔をした裕太がいた。
そのまま手はぎゅっと繋がれる



「えっ…」

「ごめんA…Aのためを思ってやってたことだったんだよね。そんな顔させるつもり…なかった…」



だんだん小さくなっていく声
そして、久々にそんな顔みた気がする



「…ごめんね帰ろ!無理してまで行くことないし、しようと思えばいつでも挨拶はできるからね!笑」



元々行く予定だった階に着いたが
そのままもう1回B2を押そうとする裕太。



ここで逃げちゃダメだ。
その瞬間そんなふうに思った。



「待って裕太!」

「え?」

「ここでちゃんと降りる。挨拶ちゃんとする。」

「いやでも…」

「ううん。裕太が私のこと1番に考えてくれて、大事にしてくれるように私だって裕太が1番大事。」

「A…」



そのまま2人でエレベーターを降り、
その場で裕太にぎゅっと抱きつく



「でも失敗しちゃうかもだし上手く話せないけど、」

「そんなこと気にしなくていいから。キツかったら後ろ隠れてて」

「うん。」

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作者名:桃 葉 こ な つ | 作成日時:2023年1月22日 4時

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