104期訓練兵のお姉さん (ページ29)

今日:97 hit、昨日:71 hit、合計:163,316 hit

・ページ29

・

「その巨人になれる人間からすればエレンの巨人化は予想外だったように思える。実際、超大型巨人が壁を破壊したあと、鎧の巨人は門を壊さなかった。それは鎧の巨人が行動を起こす前に予想外だったエレン巨人が現れてそれどころじゃなくなったから、？」

あぁ、分かんなくなってきた、。

「そもそもなんで壁を壊すの？分かんないけど...、でも巨人化能力を持った人間は今エレンをなんとしてでも捕らえたいはず...、、って、長々と話しすぎました！ごめんなさい...！」

いつの間にか私の考察をベラベラと話してしまっていたらしい。

エル「いや、構わないよ。...A、君に少し頼みたいことがある。」

「私、ですか...？」

エル「あぁ。この話をした君だからこそだ。」

「私に出来ることならなんでも...、」

エル「助かるよ。それで君に頼みたいこと、というのはリヴァイ班にてエレンの事を見ていて欲しいんだ。」

え。

「私が、リヴァイ班に、ですか...？」

エル「あぁ。今エレンはリヴァイ班に居る。そこで巨人化の訓練をしているが、何せ分からないことだらけで彼の心も不安定だろう。そこで３年間共に過ごした訓練兵の誰かに共に居て欲しいと思ってね。」

なるほど。

その役割を裏切り者の人に任せるような間抜けなマネは出来ない。

私が今の仮説を話したから私は裏切り者の候補からとりあえずは除外された。

でも...、

「それならミカサ・アッカーマンやアルミン・アルレルトの方が適役では、？」

エル「もしもの場合、我々はエレンを殺さなければいけない。その判断を、君は出来るか？」

あぁ、そういうことか。

エル「ミカサ・アッカーマンには審議所の様子からしても、任せられないのではないかと判断した。まだ私も彼女のことを良くは知らないしね。」

ミカサにはそんな役割を任せたくない。

エル「君の戦闘能力についてはリヴァイから聞いているよ。駐屯兵団の人達からも。君の能力なら精鋭班のリヴァイ班に配属しても問題はないだろう。」

確かに、アルミンと私なら私の方が戦闘能力は高いだろう。

エルヴィン団長は色々考えてるんだなぁ、と思う。

「...分かりました。引き受けます。」

ここで断るなんてのも無理な話だ。

エル「感謝するよ。」

それから私はせっかく整理した荷物を再びまとめ、旧本部へと移動することになった。