104期訓練兵のお姉さん (ページ15)

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「...ありがとう、ジャン。」

こっちに向かって歩いてくる巨人に向き合い、それを睨みつけながら、隣に立つジャンにそう言う。

ジャ「...姉さんは甘すぎだ。」

「助けを求められたら助けたくなっちゃうのは仕方ないでしょ？」

マル「A姉さん！A姉さんは出来るだけ巨人との戦闘を避けよう。このままじゃ撤退命令が出たときに壁を登れない。それまでは僕とジャン、フリルド、ベン、ダズで何とか持ち堪えるよ。フリルド、ベン、ダズ、頑張ってくれ、。」

ベン「...A姉さん、。頼りすぎてたよ、ごめん。怖いけど、ここからは俺もしっかり戦う...！」

ダズ「ね、姉さんは怖くねぇのかよ...、」

「怖いけど、、でも、怖いからって動かなくて、仲間を死なせたら私は一生後悔するから。それは嫌なんだ。」

フリ「...姉さん、ほんとにごめん。もう大丈夫、！何度も助けてくれてありがとう！」

それから目の前に迫ってきた巨人に向かって5人が飛び出し、ベンが項を削ぎ落とした。

そうして少し戦っていたとき。

フリ「な、なんだあの巨人...！動きが少し違うぞ！」

ベン「は、速ぇ！」

マル「！、奇行種だ！」

ジャ「来るぞ！！」

ジャンがそう叫んだ瞬間。

巨人は私の方向に向かって飛んできた。

すごい勢いで近づいてくる巨人の顔。

大きな口を開けている。

怖い。

ダズ「A姉さん...！」

「危なかった...、、」

なんとかギリギリで避けれはしたけれど、あとコンマ数秒でも遅かったら今頃私は巨人の腹の中だった。

ベン「よくもA姉さんを狙いやがったな...！」

死をすぐそこに感じ、アンカーを刺して建物の壁に立ちながら先程の恐怖で震える身体を落ち着けていると、ベンがそう叫びながら奇行種に突っ込んでいった。

項を削げる、！と思った瞬間。

巨人は首をぐるん、と後ろに回し、ベンの上半身を口の中に含んだ。

「え、」

巨人はそのまま上を向き、ごくん、とベンの身体を飲み込んだ。

フリ「よ、よくもベンを！！」

フリルドはそう叫び、巨人に突っ込んでいく。

「ダメ...、」

私がそう力なく呟く間にフリルドは巨人にハエのように叩き潰されてしまった。

ジャ「オイ、嘘だろ...、」

ジャンのそんな声が聞こえた。