2、3、4 ｰLsideｰ ページ8
うちの店の常連であり、友人でもあるハンジ改め半次真琴から急な電話があった。
ハ「もしもし、リヴァイ？仕事で地下街に行ったんだけど、スクラがいたんだ。これからすぐに店に連れていく。」
それだけ残し切られてしまった。
本当なのか。スクラが地下にいるのか。
俺のことは覚えているか、そうだあいつの好きな紅茶を入れてやろう、地下で暮らして俺の気持ちもわかったか、
言いたいことは数え切れなかった。
少し知らないフリをして、店のドアが開くのを見守った。
準備していたセリフも顔をみたらすっ飛んでしまって、駆け出した。
少し幼くて、気が強そうで、生意気で、どうしようもなく愛おしい。
服や髪型は多少変わっていたが、何も変わっていなかった。
俺の中で大きくなりすぎていたスクラの存在が、目の前に現れてしまって、どうすればいいのか分からなくなった。
ハンジの話を聞く限り、俺がスクラの面倒を見ることになっているらしい。
良いだろう。次は俺がお前の世話役だ。
そう手を差し伸べたらその手は血を吹き出し、数千年前に俺の口から発せられたセリフが次は向こうから出てきた。
覚えていない。その事実はあまりに悲惨で、絶望的で、悲しすぎたが、数千年を経てなお俺の昔のセリフを言ったそいつは俺を喜ばせてしまった。
手を切られても、普通なら殴るほどのセリフも、覚えていなくても、俺のことが嫌いでも、胡散臭いと思っていても、そいつなら許せてしまうくらいに俺はそいつに惚れていた。
ーーーーーーー
多少の嫌がらせというか嫌味を込めてカモミールの紅茶を出した。
お前の匂いがするお茶。俺が世界で一番好きなお茶。
いつかお前と会った時のために、とびきり高いものを買っておいたんだ。
ハンジ曰く、1番懐いていたであろう俺が1番思い出しやすいだろう、との事だった。
飲んだ瞬間、スクラ改めこのかはハッとした顔をした。
手応えを感じて話しかけてみる。
このかの頬に伝う涙を見て、きっと思い出したんだろうと思った。でも違った。
このかには会いたい人がいるという。
それは俺か？俺ならなぜ思い出せない？
もしかして、俺ではない誰かなのか？
正直、自分でも気付かないふりをしていた。
俺にとって絶対的な存在だったのだから、向こうもそうに違いないと。
今思えば俺は、茶を飲んで、掃除をしたくらいの仲だ。
愛した人がいたのかもしれない。
あまりに静かな失恋に、このかが泣いているのをいいことに涙を流した。
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CO2(プロフ) - 愛 姫さん» はじめまして、コメントありがとうございます！確かに、普通に本も文量多いですよね...。そう言っていただけると嬉しいです、良ければこれからも飽きずに付き合っていただけると嬉しいです、よろしくお願いします！ (2019年10月15日 20時) (
レス) id: 6b26be425e (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 來乱さん» はじめまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです...！良ければこれからも飽きずに付き合っていただけると嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年10月15日 20時) (レス) id: 6b26be425e (このIDを非表示/違反報告)
愛 姫(プロフ) - はじめまして。私は読みやすいと思いますよ！普通の文庫本も基本ぎっしりですし、気にしなくて大丈夫だと思います。更新楽しみにしております…！頑張ってください！ (2019年10月15日 15時) (レス) id: bdf770ca8b (このIDを非表示/違反報告)
來乱(プロフ) - 初コメ失礼します。作者さんの好きなように書いたら良いと私は思います。文章の書き方が上手くて読みやすいです！これからの2人の関係が気になります！頑張ってください！応援しております (2019年10月14日 10時) (レス) id: bfd947ca95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CO2 | 作成日時：2019年9月21日 0時
