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「マジで何やってんの」
「人差し指切っちゃった」
恐る恐るAの手元を見ると鮮やかな血が溢れ出していた。
しかも、かなり深い。
「はぁ、本当にお前は」
「ごめんなさーい…
でもそんなに痛くないし」
「あのな、その指で言われたら嘘ってすぐ分かるから。
無理しなくていいから、そこ座っとけ」
「でもまだ途中……」
「座れ」
「…わかったよ、」
強めに言うと渋々ソファに座った。
やっぱり、口は尖ってる。
そんなAの前に絆創膏を持って向かい合わせに座った。
「ねえ、もう血も止まったし、私の指も大丈夫って言ってるから」
まだ言うか。
意地はすごいんだよな。
「いいから。
料理作ってくれんのも嬉しいけど、
Aが怪我したら、俺も痛いっていうか…」
「うん、ごめんね。
料理も作れなくて…」
悲しそうな顔。
こっちも悲しくなる。
そんな空気を変えたくて、
衝動的にAの手を引いてキスを落とした。
「できることだけでいいから。
Aは、Aのままでいいし。」
そう言うと、みるみる真っ赤に染まるA。
こっちまで恥ずかしくなって、目をそらす。
ん?よく考えたら、俺めっちゃ臭くね?
イタリア人みたいなことしてない?
思い出して顔が熱い。
恋をすると、自分が自分じゃなくなる。
本当にその通りだと思った。
((何してたら指切れんだよ
((いや、なんかとしみつこっち見てるなー、
なんで見てるのかなーって思ってて、
お腹すごい空いてんのかもって思ったら切れてた。
((うん、馬鹿?
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ゆん - 何度も読み返しています! めっちゃ最高です!!!!! (2018年6月17日 9時) (レス) id: c8143ac316 (このIDを非表示/違反報告)
栞 - うわあああ、たまらなく好き。。この作品最高。。何度も読み返してます! (2017年12月13日 18時) (レス) id: 6fc5970084 (このIDを非表示/違反報告)
ちーすけ(プロフ) - すごいこのお話好きです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年11月30日 21時) (レス) id: 4adda75a8c (このIDを非表示/違反報告)
つんつん(プロフ) - ありがとうございますー!!頑張ります!! (2017年9月6日 20時) (レス) id: f361be462a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - すごい面白いです!これからも頑張ってください! (2017年9月5日 13時) (レス) id: 19a12c05ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年9月3日 7時