キスの鎖 in×ar

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父「慧。お前も、もう18だろう？」




18歳。


それは、この家にとっては旅立つ歳


許嫁を紹介されて、その人と行為をする

自分自身が、この家に費やすために働く歳




隣に座る父さんに、違和感を覚えた




父「お前の許嫁を、紹介しようかと思ってな」




分かっていても、動揺がでてしまう俺




父「入れ」




その合図で、入ってきた一人の男の子





『有岡大貴です！』




入ってそうそう、透き通るような明るい声が響いた



仔犬のような顔をした子

それが、第一印象だった


それと同時に、疑ってしまう目




「彼、いくつなの？」




心配になり、父さんに聞く俺に
有岡さんはプーッと方頬を膨らませた




『…む〜！、17ですよ！！』




子供みたいに言う姿が、可愛くてドキッとしてしまう



その潤んでいる黒目がちな目に

ぷっくりとした下唇

綺麗な肌



男が飛びつきそうなモノをとり備えた感じ

これは、父さんが飛びついたわけだ




父「慧。お前の“許嫁”だ。分かるな？」




「……はい、」





そう言って、立ち去ってしまう父さん

勢いよく閉まるドアの音がよく響くほど
２人きりになったこの空間が、息苦しかった




『慧さん！よろしくお願いします！』




元気なその姿に、胸が苦しくなる


“許嫁”


聞こえはいいけど

本当は、俺と行為をするだけのパートナーなのだから

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