T.M-6 ページ6
◆◆◆
「うーーーん……」
私は唸りながら、ベッドでスマホを見つめていた。
偶然、繁華街で出逢ったホストの彼からもらった名刺を取り出しては、引出しにしまう。
それをひたすら繰り返し……あの日から、すでに二週間が経過していた。
「連絡……して、いいものか」
ポツリ呟くとラインを開き、そしてまた閉じる。
靴が出来るまでは、最低でも一ヶ月かかると聞いた。
それまでなら猶予があるよね？なんて……勝手に思ってるだけなんだけど。
「せっかく作ってもらってるんだし……それを放置は出来ないよね。あの人、わざわざ私の為にお金を出してくれたんだもん……」
部屋には私一人なのに、いちいち声に出してしまう辺り、言い訳めいている。
それがわかっているからこそ、連絡するのを躊躇っていた。
「ホスト……かぁ」
あの人がどうこうってわけじゃないけど……やっぱり『ホスト』という響きは苦手だ。
女を食い物にする職業ってイメージがあるし、軽薄そうだし……。
連絡をとった瞬間、すぐ店に誘ってくるのも有り得そう。
私との出逢いも、いいカモに巡り会えたと思われてるかもしんなくて。
「けど……」
彼のあの笑顔を思い出す。
屈託のない、優しい笑顔は、私の警戒心をふわりと解いてくれた。
それを信じたい気も、してて……。
「あああ、どうしたらいいのーー!!」
一人、ベッドでジタバタ暴れ、スマホを軽く放り投げる。
ラグの上に落ちたそれを横目で見つつ、はぁーーと大きなため息をついた。
……わかってんの。自分がホントはどうしたいかなんて。
でも、これ以上、あの人と会ったら……なんとなくダメな気がするんだもん。
私とは全く違う世界の人だし、それに、それに……。
チラッともう一度スマホに目を移すと、私はそれをゆっくりと拾い上げる。
そして、引出しから、いったん片付けた名刺も取り出した。
「……靴を受け取ったら終わりにすればいい」
自分に言い聞かせるように呟くと、パンパン！と両手で頬を叩き、ラインを開く。
「別に緊張する程の事でもないし！」
誰にともなく言うと、私は名刺を見ながら彼のIDを入力していった。
パッと表示される『貴』というユーザーにドキッとする。
貴……この間『タカヒサ』って呼ばれてたし、名刺も『貴』だし……これ、だよね？
まだ何も送っていないのに、緊張で心臓が飛び出しそうだ。
落ち着く時間が欲しくて、なんとなくアイコンをクリックしてみると、それはオシャレなスニーカーの画像だった。
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こもも(プロフ) - 7さん» ありがとうございます☆続編の方、今週中には更新出来ると思います！ (2018年7月25日 15時) (
レス) id: 997c86eca6 (このIDを非表示/違反報告)
7(プロフ) - 続きが見たすぎます。お願いします。 (2018年7月19日 9時) (レス) id: e2794de4c5 (このIDを非表示/違反報告)
こもも(プロフ) - めめさん» はじめまして！続きがあるのかなー？と待ってしまってました(笑)お褒めの言葉ありがとうございます。初めてのドリ小執筆でしたのでコメント励みになりました！頑張ります。 (2018年6月2日 21時) (レス) id: 53d2deb50e (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - はじめまして。先日は文字が切れて失礼しました。キャラ設定と丁寧な描写に惹き込まれております。更新心待ちにしております。 (2018年6月2日 1時) (レス) id: e60eb20bd1 (このIDを非表示/違反報告)
こもも(プロフ) - まあみさん» はじめまして！ありがとうございます。楽しんでもらえるように頑張りますね。 (2018年6月1日 20時) (レス) id: 53d2deb50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こもも | 作成日時：2018年5月15日 15時
