T.M-21 ページ21
「少し休憩しましょう。お水、飲んで？」
穏やかな声にホッとし、素直にグラスの水を飲む。
今までついてくれてたホスト達は、ものすごくアピールが強くて、正直疲れていた。
何も言わず、隣に居てくれる彼に「ありがとうございます」と言うと、ふっと微笑みかけてくれる。
「順番的に、そろそろ疲れてそうかな？って」
「……実はその通りです……」
「やっぱり。そりゃ、いきなりたくさんの男どもが押し寄せたら、ビックリしちゃいますよね」
「はい。なので、こうしてゆっくりさせてくれて、ありがたいです」
「いや……まぁ、俺も……逃げてきたっつーか……」
「え？逃げてきた？」
「いえ、ちょっと今、予想外の事が起きて……申し訳ないですけど、ここで心を落ち着かせてもらってます」
困ったように目を伏せ、頭をかいている彼は、ホントに動揺しているようだ。
理由はよくわからないけれど、そのおかげで私ものんびりさせてもらえるなら、むしろありがたかった。
目の前の二人は、さっきからずっと楽しそうに話してる。
わざわざ私が加わらなくても良さそうなので、水をちょびちょび飲みつつ、シゲさんへ目を向けた。
「あのー……」
「どうしました？気分悪い？」
「あ、いえ、そうじゃなくて。貴さん、の事なんですけど」
「貴……？あぁ、はい。彼を知ってるんですか？」
「は、はい。ちょっと、名刺を」
シゲさんも、それを勧誘だと勘違いしてくれたようで「なるほど」と頷く。
「貴もじきに来ると思いますよ。すごくいいヤツですから」
「そ、そうなんですか」
「……って、なんで俺、他のホストアピールしてんだろ」
ははっ、と笑った彼は、少し幼い感じがして可愛かった。
「いえ、今のでシゲさんの株、めちゃめちゃ上がりました」
彼の親しみやすい空気に乗っかり、軽口を叩くと彼がまた声を上げて笑う。
「そうか。こういうアピール方法もあるんですね。わざと他を褒めて好感度を上げる……」
ふむふむと言いながら、手にメモをするような仕草を見せるシゲさんが面白くて、私も釣られて笑ってしまった。
彼の醸し出す雰囲気のおかげで和み、一気に話しやすくなる。
もう少し、増田さんの事を教えてもらおうと口を開いた時「えっ……」という驚いた声がした。
その低めの声に聞き覚えがあった私は、バッと後ろを振り返る。
そこには大きく目を見開いた増田さんが立っていて。
心の準備がまだだった私は、笑顔を作る事も出来ず、ただ彼を見つめ返すだけだった。
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こもも(プロフ) - 7さん» ありがとうございます☆続編の方、今週中には更新出来ると思います！ (2018年7月25日 15時) (
レス) id: 997c86eca6 (このIDを非表示/違反報告)
7(プロフ) - 続きが見たすぎます。お願いします。 (2018年7月19日 9時) (レス) id: e2794de4c5 (このIDを非表示/違反報告)
こもも(プロフ) - めめさん» はじめまして！続きがあるのかなー？と待ってしまってました(笑)お褒めの言葉ありがとうございます。初めてのドリ小執筆でしたのでコメント励みになりました！頑張ります。 (2018年6月2日 21時) (レス) id: 53d2deb50e (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - はじめまして。先日は文字が切れて失礼しました。キャラ設定と丁寧な描写に惹き込まれております。更新心待ちにしております。 (2018年6月2日 1時) (レス) id: e60eb20bd1 (このIDを非表示/違反報告)
こもも(プロフ) - まあみさん» はじめまして！ありがとうございます。楽しんでもらえるように頑張りますね。 (2018年6月1日 20時) (レス) id: 53d2deb50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こもも | 作成日時：2018年5月15日 15時
