T.M-55(T.M side) ページ5
「なんか、俺に言いたそうじゃん」
こっちから振ってやると、シゲが一瞬躊躇った後、口を開く。
「あのさ。普段の貴ってどんな感じ？」
「……え？」
意味が分からず聞き返すと、シゲが困ったように「んー」と唸った。
「例えば……実はすげーダサいとか。地味だとか」
「……それは、出来れば自分から認めたくはない内容だけど」
「ははっ。まぁ、そっか、そうだよな」
「まぁまぁ個性的だとは思ってるけど、地味ではないかなー」
「なるほどねー……」
「何？シゲはそうだって事？」
「このバイト以外は、マジで地味だよ。それこそ、院には女っ気もねぇし」
「……だから、自分に自信がなくて恋愛に躊躇してるとか？」
「えっ!?」
おまえこそ素直か！と思いつつ、俺は悪戯っぽく覗き込む。
「シゲが恋に悩むなんて初めてだなー」
「やめろ。そんな目で見るな」
「いやいや、そっちが探ってきたんでしょー」
「そりゃそうだけど……」
おろおろするシゲが面白くて、もっと突っ込んでやりたい気持ちもあったけど、逆に自分に飛び火しても困るので、そこはグッと堪えた。
やっぱり、Aちゃんとの事は、俺だけの秘密にしたい。
出逢いから今まで、どんな些細な事も、二人だけの想い出として。
……独占欲、強いかもしんないけど。
「最近、よくわかんなくなるんだ」
シゲがため息をつき、小さく呟く。
さり気なく「何を？」と返すと、彼はチラッとスマホに目を落とした。
「院生の俺と、ホストの俺。どっちが本当の俺なのか……」
「……どっちもシゲでしょ？」
「そう。けど、どこかで分けて考えてるっつーか、リアルな自分に自信がなくて、ホストの俺に嫉妬してるっつーか」
「地味だから？」
「うん。それに向こうは年上だし、余計に。学生なんか相手にしてくれるわけねーしさ」
項垂れるシゲを見ていると、本当にその人が好きなんだと伝わってくる。
俺から見れば、彼ならすぐＯＫをもらえそうなもんだけど……ホストって職業も難しいもんあるからなぁ。
女性を接客する為、知識や容姿を磨き、現実離れした世界を楽しんでもらう。
だからこそ、常にいい男でなければいけないわけで。
その着飾った自分は、普段の自分とは違うっつーのも理解出来るし……。
俺も、Aちゃんと出逢った理由が違っていたら、今、付き合えていたかもわかんねーしなー。
「じゃ、ホストやってる時みたいに、変身してみるとか？」
そう提案すると、シゲが眉を下げ「それも事情があって無理」と答える。
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ゆうき - 大好きですうう続きを心待ちにしてます(；ω；) (2020年4月4日 20時) (
レス) id: bd07b8c8f0 (このIDを非表示/違反報告)
arupakachan128(プロフ) - 戻ってきてくれたんですね！待ってました！！ありがとうございます！もう読めないのかと思ってました涙無理せず自分のペースでいいので更新楽しみに待ってます (2019年5月6日 22時) (レス) id: e90def3f5f (このIDを非表示/違反報告)
こやりん(プロフ) - こももさん！大好きなお話だったので、パスワードがついてしまって凄く寂しくて残念だったのですが、帰って来てくださりとっても嬉しいです！ありがとうございます！！これからも、こももさんのペースでいいので楽しみにしていますね！最初から早速読み返しにいきます！ (2019年2月3日 18時) (レス) id: a77857653e (このIDを非表示/違反報告)
結璃 - こももさん！ありがとうございます(><)好きなお話なので読み返しておきますね♪お仕事と無理なさらないように頑張ってください！更新待ってまーす(^o^) (2019年1月31日 18時) (レス) id: 122fe42ca2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こももさん、こんにちは！また読めるのが嬉しくて読む前にコメントしてしまいました！（笑）ありがとうございます（ ; ; ）こももさんのペースで、更新楽しみにしています〜〜！！ (2019年1月26日 23時) (レス) id: 9847e18255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こもも | 作成日時：2018年6月18日 15時
