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T.M-65(T.M side) ページ15

※T.M side※

Aちゃんが、俺の家に居る。
その事実だけで、正直ドキドキが止まらなかった。
でも、それを見せてしまうのは、男としてかっこ悪い。
自分が誘った手前、余裕を持った風に見せたかった。

互いにシャワーを浴び、やっと一息。
とはいえ、すでに時刻は朝方で、彼女はやや眠そうに見えた。

そりゃ、そうだよな。
Aちゃんは昼間仕事をしてから、カルテットにまで足を運んでくれたわけで。
次の日が休みだからって、無理させちまったよなー……。

「Aちゃん、ここ」

隣り合って座っていた彼女の肩を優しく引き寄せ、自分の肩に寄りかからせる。
こういう触れ合いにも慣れてくれたのか、抵抗せず、俺に身を預けてくれた。
肩に感じる重みに、思わず頬が緩む。

今まで、こんな穏やかで優しい気持ちになる恋愛があっただろうか。
ドキドキはするけれど、それさえ心地良い。
二人で居る空間はとても落ち着けて、一人で居るより温かかった。

Aちゃんの髪をふわりふわり撫でていると、彼女が小さなあくびをする。
そして「もーだめ、それー」という声が聞こえた。

「んー?なんで?」
「眠くなってきちゃう……」
「いいよ、寝ても」
「んー……勿体無いもん。せっかく、貴くんと一緒に居られるのにー……」

……すげー、可愛い事言ってるし。
しかも、眠気からかトロトロの舌っ足らずな言葉もやばい。
逆にこっちの眠気が覚めるっつーの。

「この後もしばらく一緒だし、もう寝よう?」
「えー……でもー……」
「俺は早く、Aちゃんとベッドに入りたいんですけど」

わざと低い声で囁くと、肩に寄りかかっていたAちゃんが、バッと勢いよく起き上がる。
わかりやすいその態度が可愛くて、俺は思わず吹き出してしまった。
隣では顔を真っ赤にしたAちゃんが、もじもじと手を弄っている。
そのピュアさが愛おしくて、俺は彼女の頬をそっと撫でた。

「ね、Aちゃん……」
「はっ……は、はぃ……」
「明日さ、昼くらいまでゴロゴロしてもいーい?」

明るくそう聞くと、Aちゃんが驚いたように「えっ……あ、うん!勿論っ」とコクコク頷く。
甘い空気に戸惑っていた彼女が、ホッとした顔を見せた瞬間、俺はその唇を素早く奪った。
ちゅっ、というリップ音と共に唇を離すと、ジッとAちゃんを見つめる。
目を丸くし、まさに『茫然』という言葉がピッタリな表情に、つい笑ってしまった。

「あ、あ、あ……」
「え?え?え?」
「あ、ちょ……」

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ゆうき - 大好きですうう続きを心待ちにしてます(;ω;) (2020年4月4日 20時) (レス) id: bd07b8c8f0 (このIDを非表示/違反報告)
arupakachan128(プロフ) - 戻ってきてくれたんですね!待ってました!!ありがとうございます!もう読めないのかと思ってました涙無理せず自分のペースでいいので更新楽しみに待ってます (2019年5月6日 22時) (レス) id: e90def3f5f (このIDを非表示/違反報告)
こやりん(プロフ) - こももさん!大好きなお話だったので、パスワードがついてしまって凄く寂しくて残念だったのですが、帰って来てくださりとっても嬉しいです!ありがとうございます!!これからも、こももさんのペースでいいので楽しみにしていますね!最初から早速読み返しにいきます! (2019年2月3日 18時) (レス) id: a77857653e (このIDを非表示/違反報告)
結璃 - こももさん!ありがとうございます(><)好きなお話なので読み返しておきますね♪お仕事と無理なさらないように頑張ってください!更新待ってまーす(^o^) (2019年1月31日 18時) (レス) id: 122fe42ca2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こももさん、こんにちは!また読めるのが嬉しくて読む前にコメントしてしまいました!(笑)ありがとうございます( ; ; )こももさんのペースで、更新楽しみにしています〜〜!! (2019年1月26日 23時) (レス) id: 9847e18255 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こもも | 作成日時:2018年6月18日 15時

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