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〜潤side〜
・
「…帰ってきたみたいね」
向かいで走らせていた、シャーペンを
ルーズリーフの上に不意に寝かせた和が
俺の方を見ずに呟く。
自室に2人きりだけなんて
最近ではそうも無い事象だからか
いつものトーンで吐かれた筈のその台詞が
ヤケに響いた様な気がする
「…みたい、だな」
正直
プライドも見栄も捨てきった先に残るのは
ただの後悔の念で。
正直言えば
俺から、どう動いて良いのか分からない
まさにぃも、櫻井さん達と
話したい事はあるだろうし
今、翔のとこに行って謝ろうにも
もう時刻はとっくに9を越している。
ただでさえ、身体の弱い翔にこんな遅い時間から
病院に行かせる羽目になったんだから…
これ以上、小さな弟に負担をかけられない
でも、そんな痛手を負わせる事になったのは
他でもない自分のせい。
きっと、変に優しい兄弟のことだ
みんなして、いつまでも俺を一斉に
責め立てるなんてことは
絶対しないのは分かりきっている
さっきまで、珍しく殺気立つ様な静かな怒りを
顕にしていた和だって
今は何事も無かったかの様に
飄々と問題を解いていて
こんな些細な場面ですら
感情のコントロール能力に長けている兄と
いつまでも思い悩んでいる俺との差を
まざまざと思い知らされた気がしてしまう自分が
まるで嫌で、不甲斐なくて
でも、翔は苛立ちを抑えられないでいた俺に
めげずに話し掛けてくれていた
『じゅー…？』
慣れない言葉を駆使して。
今思えば、あの時翔が俺に玩具を手渡そうと
していたのは、勉強に行き詰まった俺の
気を紛らわせる為に行った翔なりの気遣い
だったのかもしれない。
あんな小さな 弟ですら、人並みの思いやりを
持っているというのに
俺はこんなんで
あんなに優しい翔の兄貴なんて
今後、努められるんだろうか
目の前の英単語の羅列に焦点を合わせたまま
悶々と考えを巡らせていると
「…ごめんね、潤くん」
＿＿＿＿ほら。いつだって、そうだ
「一緒にさ。謝りに行こう？
翔ちゃんに」
生まれた時間が 少し
ほんの少しの僅差だったとしても
言葉を失っている俺の手を握り締めて
引き上げてくれるその姿は
唯一無二の、同い歳の兄の顔だった
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星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん、お久しぶりです！ようやく仲直り出来ましたね〜！いやぁ、道のりは長かった！(笑)何だかんだ仲良し兄弟でこれからも上手くやっていって欲しいものですな♪いつもコメントありがとうございます！＾＾ (2020年5月28日 22時) (
レス) id: 537f8dab87 (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅さん、更新ありがとうございます。しょうちゃん、潤くんと仲直りできて良かったです。反抗期？もこれで 終わりですかね。いつまでも仲良し兄弟でいてほしいです。 (2020年5月28日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅
| 作成日時：2019年5月5日 21時
