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「Aさん、あの…これお土産…」
僕はこんな拙い言い回しに、ぶっきらぼうな渡し方しかできなかっただろうか。
ポケットから取り出したままの片手でヘアピンの入った箱を彼女へ差し出す。
「わぁ!ヘアピン?しかもタルト!可愛い!いいの?」
そんな渡し方でも大事そうに両手で受け取ってくれたAさん。
「っていうか!ここ!あのカフェのだ!蛍くん私が行きたいの覚えててくれたの?」
そりゃもちろん、貴女と話した事を忘れるわけないでしょ。
なんて言えるはずなく。
「まぁ…はい」
どんなに冷静を装ってもたぶん顔は赤い。
「ねぇ…とっても嬉しい!すごく大切にするね!本当にありがとう」
「良かった…喜んでもらえて…」
少しの静寂。
カウンターの向こうは相変わらず騒がしい。
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作者名:葉月 | 作成日時:2020年2月19日 20時