覚悟 ページ8
_
マネ「椎名さん!!」
アフレコが終わり次の現場まで余裕があったため、小松とどこかお茶でも行こうかと話していた時、後輩くんが慌てて私の元へやってきた。
『どうしたどうした』
椎名「先程副社長から電話がありまして、すぐに事務所に来て欲しいって」
『副社長……』
副社長からという言葉ですぐに浅野関連の話だと思った私は後輩くんに車を用意するよう言った。
『ごめん小松、ちょっと抜けるわ』
小松「大丈夫だけど、何かあったの?」
『あー、まあちょっとね』
小松「はいはい、言えないことってわけね」
『ごめん』
すぐに事情を察知してくれた小松は仕方がないなと何も聞かないでくれた。車の準備が出来たと後輩くんに呼ばれ上着を羽織り部屋を出る。ドアが閉め切る前に小松が私を呼んだ。
小松「無理しないでね」
『っ、ありがと』
小松「いってらっしゃい」
『いってきます!』
バタバタと部屋を出て車に乗り込んだ私は、ここで初めて自分の手が震えていることに気づいた。
浅野のことに関しては色々手は回した。じゃあ何が心配?確証が得られないこと?それとも自分の立場が危うくなること?
ダメだダメだと頭を振り、ふと運転席の後輩くんを見ると、彼の手は私の数倍__震えていた。
『大丈夫だよ』
マネ「えっ?」
『浅野のことは大丈夫。君の大事な先輩はまた戻ってくるから、だから少しでも成長した所見せてやってよ』
マネ「っ、、はい!」
数週間前、右も左も分からないまま私のマネージャーをやらされることになった彼は何やってもダメダメで、正直言って足でまといだった。
だけど、どこか浅野の面影を感じる時があった。
車の移動中、チラチラとこちらの様子を定期的に伺う所。朝会ったら一番に体調を聞いてくる所。タレントには絶対無理をさせない所。仕事を無理に入れようとした時、必死に止めてきた彼は浅野そっくりだった。
だからといってまだ至らないところはたくさんある。ここから背中を押すのは私ではない、彼女だ。
『後輩くん』
マネ「はい」
『念の為、私が副社長に限度を超えたことしそうになったら止めてね』
マネ「は、はい」
『多分浅野もいるだろうけど、今のあいつの精神状態がどうなってるかは分からないから』
以前の彼女なら直ぐに止めてくれるだろうが、今現在弱ってる彼女だとしたらどう出てくるか分からない。すると、そのことを察した彼も、私の言葉に強く頷いた。
_
1064人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
akari0312(プロフ) - 神谷さん×椎名おねがいしたいです! (2022年11月4日 21時) (レス) @page40 id: e164c179e2 (このIDを非表示/違反報告)
あ ゆ 。(プロフ) - 磁石の2人×椎名 お願いしたいです ~ ! (2022年10月20日 0時) (レス) id: b4b41ea361 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 椎名×内田姉弟の絡みがみたいです! (2022年10月14日 13時) (レス) @page40 id: 0b2539d07f (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - 櫻井くんと椎名ちゃんと松本くんの絡み見たいです✋ (2022年6月19日 8時) (レス) @page40 id: cc66691933 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 初コメ(?)失礼します!椎名×石田彰さん(自分の推しを選びましたごめんなさい←)の絡みとか読めたらなー…と思ってます!難しい絡み選んじゃってごめんなさい🙏💦無理はしないでください!!更新頑張ってください🔥 (2022年6月5日 10時) (レス) @page40 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひながき | 作成日時:2022年3月5日 23時