いい加減にしろ！！５

先手は打っとけ ページ30

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某月某日、椎名家に来客が二人いた。それも、とても神妙な面持ちで。彼らの目の前にはある本が2冊、並べられていた。



福山｢許さん｣

中村｢却下｣




来客である、福山潤・中村悠一は向かい合わせに座っている椎名に向かって言った。




『そこをなんとか！！』

福山｢駄目だ駄目だ…！！こんなことがあっていいわけがない…！！｣

中村｢そうだぞお前！自分が何をしようとしてるか分かってるのか…！！｣

『くっ……それでも、私は…！！』



















『写真集を出したいんです!』

















話の始まりは約３ヶ月前。椎名の元に写真集を出してみないかとオファーが来た。彼女は今をときめく売れっ子ではあるが、意外にも写真集には手をつけてこなかった。


そこで、マネージャーの後押しもありやってみようということになったのだ。ただ、３３歳というまあ丁度いい年齢の彼女が出す写真の中には、際どいものもある。


彼女だっていい大人なのだ、これもまた一興だろう程度。あまり深く考えず、ファンの方が見たいのなら！という一心で3ヶ月間取り続けた。






ただ、彼らの存在を忘れていた。








『ギリセーフでしょ！』

福山｢お前はいつからたかはし智秋を尊敬するようになったんだ馬鹿者！｣

『先輩なんで尊敬してますけど、福山先輩の言ってる尊敬の仕方はしてません！てか全然セーフです！』

中村｢全部袋とじにしとけ｣

『アホだろ』





発売1か月前、過保護組の存在を忘れていた椎名は慌てて先手を打とうと、彼らに発売発表前に説明をするため家に招いたのだ。





『本当はまだ未発表のものを上にお願いして、特別にお二人に先に言ったんですよ！何も言わずに発売したら絶対怒るから！』

中村｢当たり前だろ、そんなことしたらお前の住所Twitterで晒してたわ｣

『それを真顔で言ってるところがさらに怖いです』

福山｢いやあ、えろいだろ｣

『さっきからそのページばっかり見てるじゃないですか。９割が両親と見ても気まずくならない系のやつですから』

中村｢ま、冷静に考えて俺らがどうこう言おうと発売されるんだろ？｣

『ええ、だから怒られるにしても先手は打とうと思いましてお呼び致しました』

福山｢賢明な判断だ。素晴らしい｣

『ありがとうございます』

福山｢椎名さ、｣

『はい？』

福山｢先に俺らに見せてくれてありがたいってのもあるけど、俺らの他にも黙ってないやつ死ぬほどいるぜ？｣






『へ？』

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