いい加減にしろ！！５

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【そんな彼女にも苦戦した作品は数多とある】




『すみません今日も見学させてください』

監督｢了解でーす！｣

『よろしくお願いします』




【国民的アニメ、名探偵コナンのアフレコ現場に椎名はいた。自分の出番は終わったにも関わらず、彼女はアフレコの見学をしていた】







『名探偵コナンは途中から参加させてもらったんですけど、私がレギュラーキャストの中で圧倒的に新人なんです。もう目が回るくらい周りにはベテランの先輩方ばかりで、吸収しきれない技術で溢れてる現場ですね』








【移動時間ギリギリまで先輩の演技を真剣に見る椎名の姿は、業界に入りたてのまさに新人のようだった】






『やっぱりこの作品の中では永遠に新人であり続けると思うし、何より自分に足りないピースが本当に分かりやすく浮き出ます。逆に貴重すぎる場をいただけてるんだなって毎回実感しますね。特に足を向けて寝れない作品です、笑
いやまあ、そんな作品しかありませんけどね』






―初心を持ち続ける―









【名探偵コナン・工藤新一を演じるなど、数々の有名作品に出演する山口勝平に椎名Aという存在について聞いてみた】



山口｢もう恐怖ですよ。会う度に演技力は上がるし、何より良い意味で遠慮を知らない子だから｢あのセリフ、ああ言うべきでしたかね？｣って聞ける部分は絶対に聞いてきます。そこで俺らも勉強になる所があるし、本当に意欲が高いんだなって思いますね｣



【演者として演技に対する向上心が、彼女の背中を問答無用で押し続けるのであった】










【八月某日、我々は早足でライブ会場へと足を運ぶ椎名に同行した】




スタ｢今日は何があるんですか？｣

『ライブのリハですね。kiramuneっていうレーベルがあるんですけど、そのライブの演出をさせてもらってます』




【kiramuneとは表現の可能性にチャレンジする男性声優が参加するレーベルである。椎名は彼らのライブ構成を担当しているらしい】




『かなり前からやらせてもらってるんですけど、多分好きなんでしょうね。こういう仕事が。ああ、自分生き生きしてるなって分かります、笑』

スタ｢椎名さんはkiramuneには入ってないんですよね？｣

『そうですね。kiramuneに入ってる先輩にたまたま声をかけていただいて演出してるんで、今日は完全に裏方です』

スタ｢なぜ演出の仕事を？｣

『兄の友人の影響ですかね。いやまあ、察しは着くと思いますけど、笑』

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