いい加減にしろ！！５

違和感 ページ1

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『おはようございます』




今日は声優特集の雑誌インタビュー。マネくん、いや、彼のことは後輩くんと呼ばせていただこう。駐車場からずっと心ここにあらずの彼を引っ張って連れてきたため、先輩方より遅い現場入りになってしまった。




『すみません、遅れました』

櫻井｢まだ10分あるよ。ん？彼は？｣

神谷｢いつもの美人マネはどうしたの？｣

『ああ、マネちゃんは家庭の事情で一旦帰省することになりまして。臨時のマネで彼が入ってくれてます』

神谷｢ああ、そういうこと｣

『あれ？佐倉は？』

櫻井｢前の現場押してて、少し遅れるみたい｣

『そうなんですね』




先輩達と駄弁っている途中にも目の隅にはアワアワとしている彼がうつっている。もしかして今回がマネージャーとしての初の仕事か？




『ちょっと、後輩くん』




私は椅子から立ち上がり後輩くんの方へ寄りながらも彼を手招きする。すぐにそれに気づいた彼がぴょこぴょことこちらへ小走りで来た。犬かお前。




『もしかしてこれが初仕事？』

マネ｢そ、そうです。だから俺、どうしたらいいかっ｣

『落ち着け小僧。取材が終わるまでは外にいてもいいし、ここで見学しててもいいからさ、とりあえず落ち着け』

マネ｢わ、分かりました｣




本当に分かったのかはさておき、大人しくしてくれていたらそれでいい。彼の肩にポンと手を置き、大丈夫だよと伝えたつもりだったのだが、彼は何故かその腕を掴んできた。




『ど、どうした？』

マネ｢椎名さん、なんでさっき神谷さん達に浅野先輩のこと話さなかったんですか。もしかして本当は疑ってるからッ｣




どうやら彼はいらん心配をしているらしい。ウジウジしている彼だが一応これでも男だ。先輩を疑われているのが気に食わないのか私の腕をこれでもかと握りしめてくる。


色んなことにツッコミたくなったがとりあえず腕を離せと彼の手に優しく自分の手を重ねた。




『そんなわけないでしょ。今ここで先輩達に話しても何も解決しない。それにどこで誰が聞いてるか分からないの、無闇に話せる内容じゃないのは君もわかってるでしょ？』

マネ｢で、でも！他の声優さん達に相談すれば少しでもいい方向に進むんじゃ＿＿｣

『いいから言うこと聞いて。浅野のことは私に任せてって言ったよね？それと、私だったから大丈夫だけどタレントへの態度も気をつけてね』

マネ｢あ、すみません！！｣



そう言うと、彼は焦ったように私の腕から手を離した。



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