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30話 ページ31

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『私は負け=死だと思ってた、若い頃はね。でもそれは違った。私の中の負けは救える人間を救えなかった時だよ』


伏黒「でもそれは、この世界にいれば仕方のないことですよね」


『まあ確かにね。無責任に必ず全ての命を救おうだなんてヒーローみたいなこと、私達にはできない。でもね、だからって救えないことを正当化してはいけないんだよ』


釘崎「正当化…」


『術師というマラソンゲーム、その果てを考えてしまった時点でもうその術師は終わりだよ。今すぐこの界隈から消えた方がいい。』




彼女は『結局、恵が欲しい答えはあげられていないかもしれないけど、たった一つ言えることがある』と言って今度は彼らに背を向けた。















『呪術は非術師を守るためにある。これは誰がなんと言おうと、覆してはならない事だよ』

















そう言い残して彼女は早足でこの場から去っていった。彼女のここまで冷たい声は聞いたことがないと伏黒は思った。




家入「呪いなんだよ、あいつにとってあの言葉は」




彼女が去ったすぐ後、家入はどうしていいか分からなくなって放心していた1年2人に話しかけた。




釘崎「呪い?」


伏黒「呪術は非術師を守るためにあるってやつ、ですか?」


家入「そう。あいつ自身があの言葉を大切に生きてきたわけじゃない、そうせざるを得なかったんだ。」


伏黒「どういう事ですか」


家入「あんまり女の過去を探るのはおすすめしないね、気になるなら本人に聞きな。ただ一つ言うとしたら、あいつにとって負けだと最も感じたのは」

















「最愛の人間を救えなかったことだろうな」



















______




釘崎「Aさんの話、どう思った?」


伏黒「どうも何もあんまり探らない方がいいだろ」


釘崎「話の発端を作ったやつが何言ってんのよ」


伏黒「気になったんだよ、あの人がなんであんなに強くいられるか」


釘崎「ふーん。……Aさんの言う負けが私達にも当てはまるとしたら、これから私達は何回負けを感じるんだろうな」


伏黒「もう既に、1回味わってる」


釘崎「そう、だな」








思い出されるのは、独り死んでいった彼のこと。



最強と言われる五条とタメを張るくらい強い彼女でさえ負けを何度も感じているのだ。これから自分らは何度経験するだろう。考えただけでも恐ろしい。



強くなろう。



伏黒と釘崎は拳を固く握りしめ、また一歩強く歩き出した。




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ひながき(プロフ) - しおりさん» 𝑶𝑴𝑮(゜д゜)、教えていただいてありがとうございます!! (2022年2月7日 1時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 悠仁の漢字間違ってます! (2022年2月6日 23時) (レス) @page23 id: 2479e15f01 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条オチです!!今後もお楽しみください!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 15さん» ありがとうございます!!ゆっくりですが、しっかり更新していきます!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ひながきさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援しています(*^^*)楽しみにしています。 (2022年2月5日 21時) (レス) @page25 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひながき | 作成日時:2022年1月9日 22時

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