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10話 ページ11

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そう言うと、五条は俯き沈黙を作った。


数秒だろうか、数十秒だろうか、とにかく無言を貫いた後、五条は片手で目隠しを外しながら言った。



五条「お前は、俺をこれ以上堕としにきたのかよ」


『ッ!!』




そう言った五条の声は、久しぶりに聞いた弱々しい声だった。おまけに困ったように眉毛を下げ目を潤わせている。


こいつのこんな姿を見るのはいつ以来だろうか。アイツが離反したと分かった時?それともアイツを殺した日の夜?


いや、何時かなんてどうでもいい。思っていたよりもこいつは弱いみたいだ。



五条「…っ!!」




私は五条の腕を引き、背中に手を回した。




五条「んだよ、今更慰めるつもりかよッ…勝手にどっか消えやがって。なんでみんな俺を置いてくんだよ。お前もいなくなったら、俺、」


『ごめん』




ここで謝るしかできない私は、やっぱり優しくない。


五条は私の包むように背中に手を回し、肩に顔を沈ませた。彼の息遣いが耳元で感じられた。


こんな姿を真希達が見たら笑うだろうか、いや、驚きが勝って困惑するだろうな。


そうだよ、あんたが弱いのは私の前だけでいい。結局、特別扱いを欲しがっているのは私なのかもしれない。




五条「言えよ」


『言えないよ』


五条「何でだよ……ッ…」


『ごめんね、優しくなくて』




"そばにいるよ"って言ってあげられなくてごめん。


言葉には出来ないけど、ずっとそばにいるよ。


できれば、この命が尽きるまで。




_________




『落ち着いた?』



あれから数分はそのままでいた。私が離そうとしても彼の腕がそうさせてくれなかったのだ。



五条「まだ」


『嘘つけ、もう落ち着いたろ』


五条「あと2時間」


『長い』



もう1回ぐっと離れようと彼の胸を押すも、ビクともしない。最初に抱きしめたのは私だけど、さすがに距離考えろよ。さっきから吐息が耳にかかってくすぐったい。



五条「ねぇ」



それを分かってるのかなんなのか、こいつはお腹に響くような低音を私の耳に寄せる。



『っ、何?』



私が僅かに反応したのに気づいたのか、彼は喉で笑ってからさらに腕の力を強める。



五条「俺、最強は最強でも一応人間なわけ。そりゃ疲れる時だってあるじゃん?」


『うん、あるね』


五条「誰が最強=無敵なんて考えたの?」


『知らないわよ。あと、俺じゃなくて僕ね』


五条「るせーなお前、2人の時だけだっつーの。少しくらい気抜かせろ」





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ひながき(プロフ) - しおりさん» 𝑶𝑴𝑮(゜д゜)、教えていただいてありがとうございます!! (2022年2月7日 1時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 悠仁の漢字間違ってます! (2022年2月6日 23時) (レス) @page23 id: 2479e15f01 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条オチです!!今後もお楽しみください!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 15さん» ありがとうございます!!ゆっくりですが、しっかり更新していきます!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ひながきさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援しています(*^^*)楽しみにしています。 (2022年2月5日 21時) (レス) @page25 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひながき | 作成日時:2022年1月9日 22時

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