37話 ページ38
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『で?』
五条「ん?」
『それなに』
泡瀬が指差す先には大きなアタッシュケース?ようなものがある。彼女の見間違いでなければ先程その中には虎杖が入っていったはず。
五条「サプライズのための物ですが何か」
『……私たちの声、悠仁に聞こえてる?』
五条「聞こえてないと思うよ」
『シラケるわよこれ』
聞こえてないと分かれば即答で答えた泡瀬は白い目を五条に向ける。虎杖自身、とてつもなく楽しみにしていたので流石の彼女も彼本人にはこんなこと言えないのだ。
五条「僕渾身のサプライズをなんてこと言うのさ」
『京都の子達までもの反応が容易に想像出来るんだけど、これ悠仁が可哀想なんじゃない?』
五条「大丈夫だいじょーぶ!みんな喜ぶって!」
『…はいはい、そうだといいね』
多分何言っても聞かないと思ったのか、泡瀬は諦めたように笑いケースをポンと叩いた。それを見て五条もへらっと笑いケースを押しながら彼女の後を追う。
五条「お前、見ていくんでしょ?」
『そうだけど?』
五条「歌姫に怒られるんじゃないの?」
『は?なんで………ああ、かもね』
そういえば彼女は泡瀬のことをなんだかんだ可愛がっていたようなそうでないような。もちろん彼女にも何も言わずに去っていったわけで。確かに怒るかもなあ、と泡瀬は納得した。
まあ、五条らとつるんでいた泡瀬を若干苦手としていた歌姫はどんな態度をとるのだろうと少し胸を躍らせもしている。
五条「A、意外と歌姫のこと好きでしょ」
『それはアンタも一緒でしょ』
五条「やめてほしいね、それだけは」
『ツンデレもいいとこだぞ、お前』
五条の方を向き甘美に笑ったその顔を見て、五条は顔を歪ませる。そして同時に思う、鈍感もいいとこだぞ、お前。と。
五条「僕は歌姫みたいにピーチクパーチクうるさい女の子は嫌いなの〜」
『どこの誰よりもピーチクパーチクうるさいヤツが何を言うんだか』
五条「悠仁〜、そろそろ着くよ〜」
『 聞 け 』
少し歩くと、彼らの視線の先には何やら険悪な雰囲気の中見つめ合っている生徒たちが見えた。
またやってるよ、とでも言いたげな視線を送る泡瀬は、それもまた青春かと彼らを見て思い、視線を下ろし笑みをこぼした。
____かつての自分達に重なったのかもしれない。
京都姉妹校交流会___開幕
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ひながき(プロフ) - しおりさん» 𝑶𝑴𝑮(゜д゜)、教えていただいてありがとうございます!! (2022年2月7日 1時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 悠仁の漢字間違ってます! (2022年2月6日 23時) (レス) @page23 id: 2479e15f01 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条オチです!!今後もお楽しみください!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 15さん» ありがとうございます!!ゆっくりですが、しっかり更新していきます!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ひながきさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援しています(*^^*)楽しみにしています。 (2022年2月5日 21時) (レス) @page25 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひながき | 作成日時:2022年1月9日 22時