16話 ページ17
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硝子が準備をしている間、私の隣に座っている五条はおもむろに語り始めた。
五条「僕はさあ、性格悪いんだよね」
伊地知「知ってます」
間髪入れずに答えた伊地知に五条は「伊地知、後でまじビンタ」と言う。伊地知も意外と一言余計だよね。
五条「教師なんて柄じゃない。そんな僕がなんで高専で教鞭を取っているか……聞いて」
伊地知「なんでですか」
五条「夢があるんだ」
伊地知「夢、ですか」
夢、か。その後五条は夢とは何か。これからどうしたいのかを伊地知に話していたが、私の耳には彼の話がすんなりと入ってこなかった。
こいつが突然教師になりたいだなんて言い出したのは、言わずもがなあの時だ。
最初は私も硝子も冗談だと思ったが、彼の目は本気だと言っていた。こいつは意外にもちゃんと考えていると。
五条「悠仁もその一人だった」
拳をギチギチと言わせながら五条は悔しそうに言った。
家入「ちょっと君たち、もう始めるけどそこで見てるつもりか?」
硝子が手袋をしながらこちらに向けて言った時だった。硝子の後ろで永遠と眠っていたはずの彼が起き上がったのだ。
伊地知「あっ、うぁぁあ!!」
虎杖「お、ふるちんじゃん」
『わあびっくり。元気じゃないの、彼』
家入「ちょっと残念」
虎杖「あの、恥ずかしいんすけど。誰?」
真っ裸の彼の元へ五条は向かい、「 悠仁 」と声をかける。
そして片手をあげてこう言った。
五条「おかえり」
虎杖「おっす、ただいま!」
治療室に、再会の音が鳴った。
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日に照らされ、誰もいない静か廊下を3人で歩いていた。
硝子と五条はポッケに手を突っ込みながら歩いているが、私の服にはそれが無かったため代わりに手を後ろに組みながら彼らの真ん中を歩いている。
家入「あー、報告修正しないとな」
五条「いや、このままでいい」
『また上に狙われる可能性もあるからね』
五条「そう、だからその前に悠仁に最低限の力をつける時間が欲しい。硝子、悪いが記録上悠仁は死んだことにしてくれ」
家入「じゃあ、虎杖がっつり匿う感じ?」
五条「いや、交流会までは復学させる」
『あ、そうなの?』
家入「なぜ?」
五条「簡単な理由さ、若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ。何人たりともね」
ああ、こいつらしいや。
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ひながき(プロフ) - しおりさん» 𝑶𝑴𝑮(゜д゜)、教えていただいてありがとうございます!! (2022年2月7日 1時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 悠仁の漢字間違ってます! (2022年2月6日 23時) (レス) @page23 id: 2479e15f01 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条オチです!!今後もお楽しみください!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 15さん» ありがとうございます!!ゆっくりですが、しっかり更新していきます!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ひながきさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援しています(*^^*)楽しみにしています。 (2022年2月5日 21時) (レス) @page25 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひながき | 作成日時:2022年1月9日 22時