いい加減にしろ！！２

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中村｢聞いたぞ、椎名｣

『今日は私、中村先輩の声は聞こえない耳なんです』

中村｢都合良い耳だな｣

『………』

中村｢おーい｣

『………』

中村｢……焼肉奢ってやる｣

『がち？』

中村｢おい｣

『あ、』

中村｢これに引っかかるのは、小学生か椎名かだな｣

『焼肉馬鹿にしないでください』

中村｢してねえよ｣

『焼肉の言質は取れましたんで、もうシャットアウトしますね』

中村｢おいこらくそ餓鬼｣

『もう、なんですか？
てか餓鬼じゃないですよ』

中村｢生意気だな？俺の声はお腹に響くだ？心臓に悪いだ？カッコよすぎるだ？｣

『後半は言った覚えがないです』

中村｢いちいちうるせえな｣

『だからなんだって言うんですか』

中村｢何開き直ってんだよ｣

『だってからかうでしょ？』

中村｢うん｣

『……清々しいのもムカつきます』

中村｢そんで梶が言うには、耳が弱いだとか｣

『セクハラで訴えます』

中村｢まだなんもやってねえし｣

『まだって発言がすでにセクハラです』

中村｢梶との扱いの差よ｣

『梶さんはまだ健全なんで』

中村｢俺が健全じゃないってか｣

『はい』

中村｢………お前……絞める｣

中村先輩に絞められる前に次の現場に行こうと
後ずさりしていると







福山｢おはよう、椎名｣

『ﾋｯ！！』





後ろから耳元によせて発せられた声は

中村先輩よりも面倒くさい聞きなれた人の声







福山｢なんか面白そうなことしてんじゃん？｣

『いいえ、全然オモシロクアリマセン』

福山｢なんでカタコトなんだよ｣

『あのー、私次の現場に行かなきゃなんで』

福山｢あぁ？お前次の現場俺と一緒だろ｣

『……』

福山｢俺のアフレコ終わるまで待ってても全然時間に余裕あるよな？｣

『あぁ、マネちゃんに呼ばれてたんでした』

福山｢お前のマネちゃんならさっき会ったよ｣

『えっ』

福山｢そんで｢少し時間に余裕があるんで外出てきます〜｣ってルンルンだったぞ｣

『…………』

福山｢中村、こいつなんかやらかしたの？｣

中村｢あぁ、それが実は〜〜〜｣















福山｢ふーん｣

中村｢あれ？意外と興味無い？｣

福山｢いや、椎名が耳弱いの知ってたし｣

『へ？』

中村｢おっとそっちか｣

福山｢こいつ見てりゃ分かんだろ｣

『さすがドSが本業の人は違いますね』

福山｢意味わかんねえから｣

『でも、分かっててからかわないでいてくれたんだから逆に福山先輩、実は優しいのでは？』

中村｢あぁ、確かに｣

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