一人と一匹の応援団 ページ29
◆◇◆ 太輔・side ◆◇◆
ガチャ。
「… おかえり」
「ミヤァ〜ゥ… 」
1人と一匹が俺を出迎えてくれた。
「風呂入れよ」
渉の優しい声に癒された。
俺はいつもの感じで部屋に入り 背広を脱ぎクローゼットにかけた。
ステは俺の足に体を擦りつけていた。
「… 今日はやけに甘えん坊だな」
ステを撫でた。
「俺がさっき『メッ!』って叱ったからだよ」
ステを抱き上げた。
「なに?渉君に怒られた?何したんだ?お前は」
首をこちょこちょ。
グルグルなる喉。
「アレ見てくれよ」
ん?
「げっ!?ウソだろ… 」
年末に張り替えたばかりの障子が…
見事にステの爪痕だらけ。
なんて芸術的…
「やってくれますな〜… ステ君」
2人で苦笑い。
「今度の休み手伝ってくれ」
休み…
「ごめん、Aとデート… たぶん」
渉が俺を見た。
そして にやにやし出した。
「なぁ〜んだ、てっきりフラれて帰ってきたと思ったのに♪でも、たぶんって??」
渉がステを抱っこ。
「はぁ〜… それがさぁ〜… 」
渉にさっきあった出来事を話した。
兄貴の宏君から聞いたAのコンプレックスのこと。
「ふ〜ん… コンプレックスね〜… でもさ、そんなの誰にでもあるんじゃないか?」
あんのか??
「たとえば 俺は、舌足らずで噛んでしまうだろ?」
ん?… だな…
「確かにそれは、すげー コンプレックスだな、うん」
渉が睨んだ。
2人で笑った。
「メガネ」
ん?
「度が入ってないだろ?」
そう言えば… そうだ。
Aのメガネを見つめた。
「きっとそのコンプレックスと関係あるかもしれないよ」
マスクにメガネ…
「大きなマスクもしてたし… 」
予防って言ってたけどあんなにデカいのする必要ないだろう。
でも、メガネを取った時のアイツは綺麗な可愛い顔をしてた気がする。
なのに… なぜ?
渉の言うことは一理あるかもしれないな…
「まぁ、デートして見つけてこいよ。そして兄貴の宏君が言った『笑顔』にしてみせろ」
笑顔か…
「でもさ… でもるか?俺に」
自信ねぇけど…
「出来るさ。俺さ、今までいろんなお前を見てきたけどさ、一番楽ししょう… もとい、楽しそう」
楽しそう?
相変わらずの噛みクセの渉がくすくす笑う。
「大丈夫。お前は見つけられるよ。そして克服してあげられる」
渉…
「ほら、ステも応援してるよ」
渉がステの手を持ち 俺の頭を撫でた。
俺には 1人と一匹が応援団がいた。
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亀猫(プロフ) - erika2910さん» erika2910さん、こんにちは。メッセージ欄にお返事してます。ご確認ください。コメントありがとうございました(*^▽^*) (2023年4月5日 9時) (レス) id: d73310e050 (このIDを非表示/違反報告)
erika2910(プロフ) - 亀猫さんこんばんは、続き読ませて頂きたいです。パスワード教えて下さいm(_ _)mお願いします。 (2023年4月4日 0時) (レス) @page50 id: 47d6a17890 (このIDを非表示/違反報告)
まさえ(プロフ) - 亀猫さんありがとうございます(๑˃̵ᴗ˂̵) 続きを見るのが楽しみです♡ (2022年8月16日 17時) (レス) id: 8520b1feca (このIDを非表示/違反報告)
亀猫(プロフ) - まさえさん» まさえさん、おはようございます(*^▽^*) メッセージの方へ、パスワードを発行してあります。ご確認ください。ありがとうございました(*'ω'*) (2022年8月16日 5時) (レス) id: d73310e050 (このIDを非表示/違反報告)
まさえ(プロフ) - パート2を見たいのですが、パスワードがかかって見れません! 教えていただきたいです! よろしくお願いします。 (2022年8月16日 0時) (レス) @page50 id: 8520b1feca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亀猫 | 作成日時:2014年2月11日 17時