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俺の元気の源 ページ24

◆◇◆ 太輔・side ◆◇◆

小さな着信音が聴こえる…

ガタッ…


「どこから?」
席をゆっくり立ち上がった。


俺の後ろから聴こえる…

曲がり角の向こうだ…


「… アホ」
店の中なのにマフラーぐるぐる巻きにしてる人が角の席にいた。

「今度は なんの擬態だ?」
俺は ゆっくり近づいた。


その間もケータイはコールし続けていた。


コツコツコツ…


「… 合席いいですか?」
ビクッとなった人。

「失礼します」
俺は目の前に座った。


ケータイを座ると同時に切った。

ピロロロ… ピロ…


「やっぱりな」
ケータイの着信音が消えた。

「… はぁ… 」
溜め息をついた。


シーン…


「… うめ… 」
プレッツェルモカを飲んだ。

「… ごめんなさい… 」
ぐるぐる巻きのマフラーは俺に謝った。

「ん」
短く返事。


静かな時間が過ぎて行く…


「暑くないか?」
下を向いたまま首を振った。

「うそつけ… 」
おでこを触った。


ガタッ!!


「ほら、汗かいてる」
冷や汗なのか暑さの熱なのかわからないが額に汗をかいていた。

「いいから取れ」
マフラーを引っ張った。

「やぁ!!見ないで!」
え?


Aは思いっきり顔を隠した。


「どうした?」
ブルブル震えてる体。

「見ちゃ… や… 」
泣きそうな声…


俺は席を立ちAの目の前に座った。


「A… こっち見ろ」
下から覗きこむように言った。

「マフラー取らなくていいから 俺を見ろ」
震えが止まった。


少しずつ顔があがる…


「… 良かった… 泣いてないな」
泣いてはいなかった。

「怖かったか?ごめんな」
頭を撫でた。


綺麗な瞳が俺を見ていた。


「… なんで?」
え?

「ココアなんかで… なんで?」
『ココアなんか』か…


くすっ。


「ココアはさ、俺の元気の源」
Aが俺をじっと見ていた。

「本当はさ、甘いの得意じゃないんだ… でも、『これを飲めば元気になるよ』って昔 言われたんだ」
カップを手に取った。


こくん。


「うん、元気になりそう」
一口飲んでAに笑った。

「お前が入れてくれたココアさ… スゲー嬉しかった」
誰も入れてくれなかったココア。


気づいてもくれなかった女たち…


「だからさ、俺にとっては『ココアなんか』じゃないんだ」
マフラーの端を持った。


「お前が気づいてくれた… 」


シュルシュルシュル…


「ありがと… A」


ちゅ…


俺は解いたマフラーにキスをした。

デートの約束→←聴こえる着信音



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設定タグ:藤ヶ谷太輔 , 横尾渉・北山宏光・玉森裕太 , キスマイ   
作品ジャンル:恋愛
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亀猫(プロフ) - erika2910さん» erika2910さん、こんにちは。メッセージ欄にお返事してます。ご確認ください。コメントありがとうございました(*^▽^*) (2023年4月5日 9時) (レス) id: d73310e050 (このIDを非表示/違反報告)
erika2910(プロフ) - 亀猫さんこんばんは、続き読ませて頂きたいです。パスワード教えて下さいm(_ _)mお願いします。 (2023年4月4日 0時) (レス) @page50 id: 47d6a17890 (このIDを非表示/違反報告)
まさえ(プロフ) - 亀猫さんありがとうございます(๑˃̵ᴗ˂̵) 続きを見るのが楽しみです♡ (2022年8月16日 17時) (レス) id: 8520b1feca (このIDを非表示/違反報告)
亀猫(プロフ) - まさえさん» まさえさん、おはようございます(*^▽^*) メッセージの方へ、パスワードを発行してあります。ご確認ください。ありがとうございました(*'ω'*) (2022年8月16日 5時) (レス) id: d73310e050 (このIDを非表示/違反報告)
まさえ(プロフ) - パート2を見たいのですが、パスワードがかかって見れません! 教えていただきたいです! よろしくお願いします。 (2022年8月16日 0時) (レス) @page50 id: 8520b1feca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亀猫 | 作成日時:2014年2月11日 17時

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