ココアの恋 【 １ 】

恋におちたココア ページ1

甘い香り…


横を通り過ぎるたびに香っていた…


この１杯のココアが私たちを繋げてくれた。


こんな恋のお話… いかがですか？
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◆◇◆ 太輔・side ◆◇◆

ザワザワ… ザワザワ…


あ〜… 今週も長いなぁ〜… はぁ…


「あ〜… 静かに〜！」
おっと… 始まる。


毎週火曜日に行われる定例会議。

俺の仕事は、クライアントから依頼に合ったトレンドを見つけてマーケティングし提案すること。

いわば、広告代理店業務。最近はポスター作りがメインになってる。


「藤ヶ谷班報告！」
げっ！トップバッターかよ。

「はい！現在、藤ヶ谷班は銀座商店街のポスター及びパンフレットの作成を引き続きしてます。なお、大手企業から１件、CM依頼がきてます。そのことについては来週報告します」
部長の目が厳しいかも…

「その銀座商店街様の進捗状況は？」
聞くと思ったよ！！

「クライアントには３パターン程提案してあります。デザイン課も７０％進んでいます」
提案したデザインを見せた。


綺麗な空のデザイン。

カラフルキャンディーのデザイン。

七色の虹のデザイン。


「なるほど… で、いつ提案した？返事は？」
返事は…

「えっと… ５日前に… 返事はまだです… 」
やべ…


バン！！

来た！！


「バカ野郎！！返事がないってことはデザインが悪いってことだよ！なんで聞きにいかない！！」
うっ！！

「藤ヶ谷班は来週 定例までに修正をかけろ！そこで進まないようであれば大手企業の依頼は他の班にまわす！いいな！！次！如月班！！」
隣にいたメンバーに頭を下げた。


『良いってことよ！』

『また、頑張ろうぜ！』


お互い目で合図。


(「はぁ〜… やっちまったぁ〜… 」)
皆に聞えないように溜め息をついた。


コトン。


え？


(「どうぞ… 」)
あ…


ふわっと漂った甘い香り。


俺が好きなココアだった。

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