11．彼はずるい ページ13
「ちょっと勇次郎。仲良いのは分かったからあんまり見せつけないで」
そう言って内田さんに助けられる。これで彼女に台本を渡せば帰れ＿
「じゃあ私は台本届けに行くからAちゃんは勇次郎の振り付けの練習手伝ってあげて！」
今回の検証：彼を納得させられるか。
・リメイク版だから前も同じ振り付けで撮っている→練習手伝う必要なし
「僕は体を動かしながら思い出すタイプなんだよね(？)」
・自分よりも、スタッフさんとかの方が慣れてるから踊りやすい→練習手伝う必要なし
「今トラブル起きてるのに忙しくないスタッフなんていないでしょ」
検証結果：論破された。
(染谷くんって、ああ言えばこう言うよね)
彼の饒舌さは
「…何か失礼なこと考えてない？」
「そんなことないよ！は、早く練習しよー！」
終いには図星なのを隠すために自らの首を絞めてしまう。本当ならもう家に帰っているはずだったのに。
「じゃあ、こっちにおいで？」
「ひえっ」
(その顔は反則じゃん…！！)
ふわりと効果音が付きそうな柔らかい微笑みを浮かべる彼。そのまま自然と親指の付け根辺りをくっつけて握られた。
彼は慣れてる感じで私を引き寄せ、背中の左側に手を添える。この体勢が『ロメオ』のダンスシーンで使われている、ホールドというものらしい。
(顔、上げたらすごく近い)
２年前にもMVを見て思ったけど、実際に体験してみるとやはり相手との距離が近い。
「顔。上げてもらわないと、練習にならないんだけど」
「あ、ごめん！」
上を向いて染谷くんの瞳を見つめる。彼は一瞬目を大きくさせたが、すぐに満足したように笑みを浮かべた。
…ダンスなんて学校の授業でしかしてないし、これは学校でもしないから頑張らないと。他の事を考えてる暇なんて、
「結局、何で僕と別れたの？」
(………え)
ただえさえ距離が近くて無心で頑張っていたのに。整った唇から発せられた発言により、動揺して足の動かし方を間違えてしまう。
「うわ、急にテンポ変えるのやめてくれる？」
「いや染谷くんが、」
「危ない！」
ダァン！と床に背中を強打して倒れたようだ。痛い。明日には剥離骨折かも(※なりません)。
体を起こそうとして耳元に吐息がかかっているのに気づいた。…えっと、この部屋に人間は何人いたでしょうか！(現実逃避のクイズ形式)
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ほたる(プロフ) - 奈津さん» ありがとうございます！出来上がり次第、更新します！ (9月20日 6時) (
レス) id: 858ad6cafb (このIDを非表示/違反報告)
奈津(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、更新楽しみに待ってます！！ (9月19日 22時) (レス) @page4 id: 1b362c8584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2023年8月22日 17時
