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重岡さんが店から出て行くのを見送って、小さくため息をついた。
あの人…何なんだろう。
ムカつかないのかな、私の事。
「あれ、重岡さんは？」
「帰った。しばらく来ないよ」
「え、そーなん？せっかくケーキの試食持ってきたのに。A味見した？」
「ううん、まだ。食べたい」
重岡さんに渡すつもりだったらしい、私が昼間に焼いたフィナンシェ。
ケーキじゃないし。
どっちでも良いけどさ。
味見してみて、我ながら上手く出来たと納得。
「なぁ、あの人何なん？本気でAの事好きなん？」
「さぁ…。よく分かんない。
……ね、淳太くんはさ、全然知らない人の事いきなり好きになれる？しかも、塩対応されてるのに」
「んーーー…なれるんちゃう？付き合っていく中で相手を知るのもアリやろ。
よっぽどタイプなんやろうな、Aのこと」
そう言って、淳太くんは店の外を掃除しに行ってしまった。
淳太くん、とはこのお店の店長の事。
お客さんは誰も知らなくて、友ちゃんにしか話してないけど、実は私たちは従兄弟だったりする。
東京から離れたくて、でも働く場所も住む家も無い状態の私に手を差し伸べてくれた。
淳太くんは、私の母親の姉の息子。
淳太くんの父親が裕福な家系で、その関係で淳太くんが管理している不動産があって、その一室を格安で借りてる状態。
そして、調理師免許を持ってるからという理由で、淳太くんが経営しているお店で雇ってもらい、そこで販売するお菓子をせっせと作って置かせてもらってる。
完全におんぶに抱っこ。
単純に嬉しいって思った。
私が作ってるケーキを、母の日にプレゼントしたいって重岡さんが言ってくれた時。
彼が書いてくれた予約票をじっと見つめて、次はこの日まで会うことは無いんだ。
友達になれるなら、凄く良かったと思う。
気持ちに応えて付き合うことが出来るなら、もしかしたは楽しいのかもしれない。
…でも
私は恋愛できないから。
だから、あんなに真っ直ぐ来てくれる重岡さんには、あまり会いたく無いかも。
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さくら(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます^_^過去の作品から読んでくださってるんですね、とても嬉しいです♪新作もよろしくお願いします☆ (2018年4月22日 7時) (
レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - さくらさんこんにちわ。新作おめでとうございます。マシェリからお話し読ませて頂いてます。さくらさんのお話しはどれも大好きです。新作も頑張ってください(^ ^) (2018年4月21日 23時) (レス) id: 07c55f30e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2018年4月21日 11時
