アンジュ・エ・デモン 2nd

77 ページ27

「どうだった？二次会。先輩のだっけ」



「うん、部署は違うんだけどフロア同じで、凄く優しくて楽しい先輩でさ。



いいなって思った。その場にいる皆んなが心から祝福してしてるって伝わってくるみたいな」



「へぇー…。余興とかもあるの？二次会。ビンゴとか」








余興…。





そう言われて、重岡くんたちの弾き語りがフラッシュバック。

また思い出して、その記憶に浸りたくなってきた。








「ううん、ビンゴは無かった。



…重岡くんともう1人の同期が2人で弾き語りしてたくらいかなぁ…」



「弾き語りとかするんだ、意外。何弾いたの？」



「ピアノだよ。上手いよ、重岡くん」



「ピアノかぁ〜ますます意外。ギャップでモテちゃいそうじゃない？女の子って、そういうの好きでしょ」



「うん…終わってから、後輩の子とか新婦の友達とかに囲まれてた」



「やっぱなぁ。あの人可愛い感じするよね、何となくだけどさ。




…だから心配になるんだよね。Aちゃんも、友達とか同期って言いつつ本音は…とか」







真っ直ぐな視線を向けられて、思わず目が泳ぐ。





そんな事ないよ、あんなのただの同期だし！





そんな風に言ってしまえば、流星くんは多分安心するんだろうな。









「そんな事ないよ。あんなの、ただの同期だし…」


「うん？」


「だから、不安に思う事なんか、無い…ですよ？」


「うん、最後謎の敬語だね」


「だって！…もー流星くんヤダ。警察にでもなったら？じわじわ攻めてくるもん」


「そんなつもりないけどさー…





まだ、気持ち決まらない？俺と付き合って欲しいって言った返事」









さっきまでの優しい笑顔が、いきなり真剣な目に変わった気がする。







うん、いいよって言うのは簡単だけど






言っちゃえって、合わなければ、ダメだったら別れれば良いじゃんって誘惑する私と






本当に、それで良いの？と引き止める私が







頭の中で睨み合ってるんだ。

78→←76

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す