アンジュ・エ・デモン 2nd

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あの約束期間を終えてしまうと、いくら同じ社宅に住んでいても、会社が同じでも殆ど重岡くんとの関わりは薄くなった。





色々あったし心のどこかで、もしかして私重岡くん存在が大きくなりかけた？








なんて思った時もあったけどそれは距離が近すぎた故の錯覚だったのかも。

そんな風に思えてきた。







それより毎日少しだけでも連絡を取り合う流星くんへの気持ちが増してきたような気がする。

そう、元々は私のリアコ枠は流星くん。








そして約束の金曜日が訪れた。







「ごめんね、待った？」



「全然。私も今終わったよ」







仕事を終わらせて、まさか流星くんと待ち合わせなんてする日が訪れるなんて。

何度かデートはしてるけど、未だにそれが信じられない。







今夜は流星くんの行きつけのバーに連れてきてくれた。

海外のスポーツバーみたいに賑やかで、オシャレ。
他のお客さんとも知り合いみたいで、よく声をかけられてる。







「W杯とかWBCがあると、みんなで見て盛り上がるんだよね。
ほら、そこの大きいモニターで流してくれるんだよ」



「そうなんだ。流星くんスポーツ好きなの？」



「うん。中学からサッカーしてたし、球技好きかなぁ。

Aちゃんは？スポーツ得意？」



「……得意そうに見える？」



「んーー…ごめん、あんまり。今度スポッチャとか行こっか」







昔から体育の成績は3以上取った事ない。


特に球技は目も当てられなくて…鈍臭い姿をいつか晒すのかな。







「いらっしゃい。珍しいな、お前が女の子と2人でこの店くるなんて」



「どーも。誤解される言い方しないでくださいよ、大人数では来てるみたいじゃないですか。



こちら、このお店の店長さんで俺が入ってるフットサルチームの先輩」



「こんばんは、初めまして。高橋です…」



「こんばんはぁ。流星が可愛い子連れて来たってみんな話してたから、野次馬に来ちゃいました。

ゆっくりしてってくださいね〜」







店長さんはチャラそうな笑顔を残して、別のお客さんのテーブルへ移動して行った。

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