57 みっくん・side ページ6
「別に、あいつとはそんなんじゃないから。
傷つけるようなこともしないし。大事な幼馴染みだからね」
「…うん、そっか。
ゴメンね、余計なこと言って。もうすぐ終わるから、待ってて」
広海さんは軽く笑って、店の中に入って行った。
少したって、ドアが開いてAが出てきた。
おれのことを見て驚いた顔をしてる。
「みっくん…どうしたの?」
「よ、お疲れ。今日忙しかった?」
「ぼちぼち…え、何?」
「何だよ、お前の事待ってたんだっつーの。ほら、帰るぞ」
「うん…」
俺がここで待ってるの、そんなに驚くことなわけ?
でもその反応が面白くて、アパートまで歩きながら時々笑ってしまう。
「ねぇ、みっくんどうしよう。私お家入れないかも!」
道中で突然立ち止まって、半泣きでAが訴えてきた。
「どういうこと?」
「深雪さんにね、鍵預けたの。お店に持ってきてって置き手紙したのに来てくれなくて…
もしかしてポストかな?どうしよう、変な人や泥棒がいるかも!」
30手前の女が鍵の行方についてアタフタしてる。
可愛いじゃねーか、このやろー…。
一人で妄想して、焦って、そんなところも昔と全然変わらないんだよな。
「付いてってやろっか?部屋まで」
「え?」
「怖いんだろ?家入るの」
「うん…ありがと」
俺の言葉にホッとしたみたいな顔。
やべ。鍵持ってるとか言いにくくなってしまった。
何でもない世間話をしながらアパートに到着して、Aがポストを覗き込む。
当然ながら、探し物は無い。だって俺のポケットだし。
「うそー…入ってないよぉぉぉ。持ってかれちゃったのかなぁ。カギ変えなきゃかなー…。
ていうか、その前に開けてもらわなきゃ。大家さんの所行ってくるね」
「あ、A…っ」
俺の声は階段を降りる音で掻き消されて、Aは大家さんの部屋へ行ってしまった。
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ななこ(プロフ) - はじめまして!このお話今初めて読ませて頂いたんですけど凄く面白いです!!1つ気になるんですけど56番てもしかして飛んでますかね…?違ったらごめんなさい。最後まで楽しく読ませていただきます♪ (2020年11月23日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - 続編よろしくです。おもしろかったです。 (2019年3月2日 1時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» みっくんも、町を出れタイミングが訪れてしまいました(>_<)主人公の側で探すって宣言しなかった理由は、移行先で判明しますのでお時間ある時読んでやってください! (2017年4月17日 18時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - このタイミングで・・・主人公ちゃんの近くで探す!とか言わないの?みっくーん! (2017年4月17日 8時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - sioriさん» そうですね…お盆休みが終わると、一気に夏が終わる感じがしますよね(T-T)。本人はひと夏の恋にしないって決意してるので、温かく見守ってもらてると嬉しいです☆ (2017年4月13日 16時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月24日 21時