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しばらく、いつもみたいに他愛無い話を続ける。



みっくんの部屋の内装とか、今日あった仕事の話とか、昔の話とか…

って、みっくん一体何しに来たの?





「ねぇ、話しにくいことなの?」



「え…」



「でも、わざわざ来たってことは今言わなきゃダメだって事なの?」



「…まぁ、そう…かも」



「じゃあ、どうぞどうぞ」




手のひらでドーゾドーゾと促すと、みっくんはため息をついた。




「…あのさ、Aって10月になったら東京戻るわけ?」



「今さら…。うん、もちろん。ここにいても仕事無いし、そしたら生活できないもん。

東京戻ったら、また就活かー…ヤダなぁ」




今から考えるだけでブルーだよ。でも、それが現実。
この町にいるのは非日常なんだから。




「…残れば…って言ったらどうする?」



「この町に?」



「うん」



「…いや、でも生活…」



「俺も探すの手伝うよ、仕事。多少ツテとかもあるし、足りなければ俺が援助…

「ちょ、ちょっと待って!



そんなこと、してもらえるわけないよ。しかも援助なんて…」



「でも、実際そうしなきゃ難しいじゃん」



「そうだけど…いや、でも…そんなことしてもらう義理無いし…」



「俺から言い出してるんだから、別に良くね?」



「ダメだよ、そんなの…」




お互い引かないから、ジーっと見つめ合うみたいになる。




それが耐えられなくて、先に目を反らしてしまった。





「ダメだよ。…あの、時々遊びに来るからさ…」



「それはヤダ。こっちに残って、むしろ時々遊びに行けば」



「無茶だよ…」




自分がどれだけ変なこと言ってるのか分かってる?




だけど、それを超真面目な顔して言ってくるみっくんを見て、胸がドキドキしてきた。

ねぇ、これってまさか…なの?






「…わかんねーの?俺の気持ち…」



「気持ち…?」




嘘、どうしよう。ドキドキが止まらなくて、体が震えてきた。



「みっく…

「好きだから離れたくないんだよ、俺が。


Aの事が好きだ。側にいて欲しい。夏が終わっても」





みっくんの瞳は真剣で、その言葉に偽りは全く感じられなかった。

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ななこ(プロフ) - はじめまして!このお話今初めて読ませて頂いたんですけど凄く面白いです!!1つ気になるんですけど56番てもしかして飛んでますかね…?違ったらごめんなさい。最後まで楽しく読ませていただきます♪ (2020年11月23日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - 続編よろしくです。おもしろかったです。 (2019年3月2日 1時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» みっくんも、町を出れタイミングが訪れてしまいました(>_<)主人公の側で探すって宣言しなかった理由は、移行先で判明しますのでお時間ある時読んでやってください! (2017年4月17日 18時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - このタイミングで・・・主人公ちゃんの近くで探す!とか言わないの?みっくーん! (2017年4月17日 8時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - sioriさん» そうですね…お盆休みが終わると、一気に夏が終わる感じがしますよね(T-T)。本人はひと夏の恋にしないって決意してるので、温かく見守ってもらてると嬉しいです☆ (2017年4月13日 16時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月24日 21時

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