81 みっくん・side ページ30
何だか色んなことが恥ずかしすぎて、目の前にあるお酒をグイグイ飲むしかない。
「よこーさん！おかわり。ウィスキーがいい！」
「飲みすぎでしょ。いくら病院休みだからってさぁ」
呆れながら、俺のお気に入りのウィスキーのグラスを置いてくれた。
チラっと見て、その言葉に当て付けるみたいにグラスを空けた。
「あーぁ、俺知らなーい。挑発したのは太輔なんだから潰れても責任取れよな」
「いいんだよ。北山先生は、今浄化中。昔の事」
「…昔の、ね」
そうそう、俺は今酒で洗い流してんの。色んなこと。
過去のせいにしてきちんとAに向き合わないとことか
秋になったらどうせいなくなるくせにって卑屈な考えとか
「北山先生はさ、どうせ秋になったらいなくなるって思うかもしれないけど、Aが自分と同じ気持ちかもしれないって考えないわけ？
そしたら、自分の隣に置いておけばいいじゃん」
「…それって…」
「結婚ってこと。それか、斡旋？」
「斡旋？」
「そう。まぁAも真面目だからさ、無職じゃ秋以降この町にいたくなさそうじゃん。
結婚がまだ早いとか思うなら、何か仕事を斡旋してあげたら？」
「…藤ヶ谷くんて…すげぇな…全然考えてなかった、仕事の斡旋とかは」
なるほどね…仕事の斡旋かぁ。
この町での主な仕事は、役場、学校、病院、海の家とかの観光産業、地元民相手の小さな飲食店……漁業、農業。
簡単にはなかなか難しいかも。
ていうか、上手くいくこと前提で考えてるけど、普通にフラれる可能性だってあるんだし。
『みっくんキモーい、チャラーい』
想像しただけで落ち込むわ。そんな風にフラれたら。
だけど、これまでの事を考えれば、望みはあると思う。
同じ気持ちかもって。
今日抱きしめた時、それをすることに理由なんて要らない関係になりたい。そう思った。
気持ち、伝えてもいいのかな。
アパートに着いて、既に灯りの消えたAの部屋を見つめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 974人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななこ(プロフ) - はじめまして！このお話今初めて読ませて頂いたんですけど凄く面白いです！！1つ気になるんですけど56番てもしかして飛んでますかね…？違ったらごめんなさい。最後まで楽しく読ませていただきます♪ (2020年11月23日 21時) (
レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - 続編よろしくです。おもしろかったです。 (2019年3月2日 1時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» みっくんも、町を出れタイミングが訪れてしまいました(>_<)主人公の側で探すって宣言しなかった理由は、移行先で判明しますのでお時間ある時読んでやってください！ (2017年4月17日 18時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - このタイミングで・・・主人公ちゃんの近くで探す！とか言わないの？みっくーん！ (2017年4月17日 8時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - sioriさん» そうですね…お盆休みが終わると、一気に夏が終わる感じがしますよね(T-T)。本人はひと夏の恋にしないって決意してるので、温かく見守ってもらてると嬉しいです☆ (2017年4月13日 16時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら
| 作成日時：2017年3月24日 21時
