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朝になった。
言われた時間より少し早めに海の家に着くと、既にサーフィン終わりの男の人が数人コーヒーを海の家で飲んでた。
「Aちゃん、おはよう。
エプロンあるからこっち来てー」
「おはようございます。
海人さん、広海さん、3ヶ月間どうぞよろしくお願いします!」
オーナーの二人に改めて深々とお辞儀をすると、二人は少し驚いて、だけど顔を見合わせて笑ってくれた。
旦那さんの海人さんは、経理や仕入れをしたり、民宿の管理をしたり多忙であまり海の家には顔を出さない。
奥さんの広海さんが調理をして、私がその補助。
小さな町だし、毎年他所から遊びに来る人も多いから顔馴染みが多くて楽しそう。
その中に一人、テラス席で一人静かに海を眺めてる男の人。
本読んでるとか仕事してるとかじゃなくて、ほんとにボンヤリ。
「お待たせしました、レモンティーです」
「どーも…。
あ、去年とは違う人なんですね」
「え?」
「すいません、何でもないです。気にしないでください」
「…ごゆっくり…」
その彼はニコリともしてくれなかった。
かっこいいのに、勿体無い。
極度の人見知り?女嫌い?…かっこいいのに。
朝のサーファーさん達と入れ代わりみたいに、今度は町の人達がコーヒーを飲みに来たり遅めの朝ごはんを食べに来たり。
広海さんは注文を作るのに精一杯だから、私はオーダー聞いて、運んで、片付けて、お会計して…くたくた。
「Aちゃん、大丈夫ー?」
「はい、何とか…」
「もう少ししたら役場や会社の人たちのランチタイムでもっと忙しくなるわよー」
「………わーい…」
広海さんはこの状況を凄く楽しんでるように見える。
実際、来るお客さんと広海さんは親しげに言葉を交わして、名前を覚えてる人も多い。
それに味も確かだし。
そりゃ、常連さんも付くわけだよ。
より慌ただしくランチタイムは過ぎていき、少し波が去った時。
「こんにちはー」
「あら、ミツじゃない。久しぶりね」
「どーも。今年も広海さんのランチ食べれて嬉しいでーす」
みっくんも、ここの常連さんなんだ。
多分私は無意識に嬉しくてニヤけちゃったんだと思う。
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siori(プロフ) - ずっと拝読しておりました(*^-^*)四年前の恋は運命の恋だと思ってた。ってみっくんsideで書いてあったので、もしや……って思ってたんですけど、それが踏み切れない原因なんですね。切ないっ(>_<)うまくいきますようにっ。ドキドキしてますっ! (2017年3月23日 23時) (レス) id: 3917e78ca0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» お待たせしました!わったーです(o^−^o)わたたいと主人公のドリカム状態開始です←古いですね笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - Mayさん» 深雪は人は見かけによらずを地でいくタイプです!主人公ちゃんの心を掻き回してもらったので、みっくんに頑張って鎮静化してもらいましょう♪ それにしても、我ながら今回のガヤさんのキャラかっこいい…笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - ついにわったー登場♪ (2017年3月22日 20時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
May(プロフ) - 太輔さん、空気読めてさすが〜☆深雪さんはある意味すごいですね、人妻は恐いものがなくなるからなぁ…早く誤解をといてほしいですねー(>_<) (2017年3月21日 21時) (レス) id: 8902c267d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月5日 22時