Blue Lagoon

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「…凄いね、ほんとに綺麗…」



「だろ？俺もさ、はじめは何でこんなド田舎来ちゃったかなーって後悔したり落ち込んだりした時期もあったけどさ…


でも、都会には無い良さとかもやっぱりあるから。



何でそんなに劣等感を感じてるかは知らないけど、Aもそんなのどーでもいいって思えるようになればいいよなって思うよ」




防波堤に並んで座って、お互い何も話さないでしばらくぼんやり海を眺めた。




星空の下、吸い込まれるみたいな夜の海。




「ねぇ、みっくん…」



「ん？」



「…みっくんがいてくれて、良かった…」



「はぁ？何だよそれー…」





クシャって笑うその顔は昔と変わらない。

その笑顔が好きだった。




こんな場所で、このタイミングで再会できるなんて、運命とか期待しちゃってもいいの？





prrrr…





「あ、わり。ちょっと電話…」



「うん…」






スッと私から離れて電話をする姿に少し胸騒ぎがした。






盗み聞きなんてしちゃだめ。

そんなことは分かってる。





だけど、ついつい電話の内容を聞き取ろうと耳を澄ませてしまう。






「うん、…うん、分かってるよ。今度な。



あ、この後お前んトコ行って良い？




明日休診日だから。あぁ、そう。…じゃ、後でな」






………え？今の会話から察するとそれは…






「ごめんごめん。ちょっと用事思い出したわ。

部屋まで送り届けるから、帰ろ」






何事もなかったみたいに戻ってきて、ニコって笑いかけてくる。






「か、彼女…？」



「え？」



「いや、電話…」



「あー…まぁ、そんな感じ。この後会うことになったからさ」






なんだ…彼女いたんだ。





そうだよね。こんなトントン拍子に再会して、上手くいくわけないし。

むしろ初日にそれに気づけて良かったよ。





完全に好きになる前で良かった。

これなら、まだ後戻りできる。

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