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完全に固まってる私を見て、男の人はクスクス笑ってる。





「おねーさん、海の家で働く人でしょ?」



「はい……何で…?」



「4年、俺ここに住んでんだよね。

毎年この時期だけ、この部屋にあそこで働く人が住む部屋だから。夏が終われば、そこは空き部屋」



「そうなんですか…」





この人の話し方、笑った顔、なんか…そんな偶然とかあるわけないのに…





「あの…」



「あ、やっと喋った」



「…名前、聞いても良いですか…?」



「聞くなら、そっちから教えてよ。スリーサイズと一緒に」





は?この人何言ってるの。でも、古すぎる手口に思わず吹き出して笑ってしまった。





「…古…っ」



「あ、笑ってくれたー。おねーさんとは仲良くなれそうだわ。



北山です。北山宏光。俺ね、この町の診療所で働いてます。どうぞよろしく〜」





やっぱり、その名前。偶然が嘘みたい…





「みっくん…でしょ?」



「え?」



「みっくん、お医者さんになったの…?」



「…誰、あんた。俺知らないけど…」



「……」






いきなり警戒感丸出しで、彼から笑顔が消えた。




私の事忘れちゃったんだ…



無理もない。私、小5だったんだもん。

みっくんはあの時中1だったし、私が勝手に初恋で好きだっただけ。






「あー…ごめん。ちょっとビックリしちゃったわ。


ほんとごめんだけど、おねーさんの事思い出せないんだよね。
どこで知り合いだったの?大学とかサークル一緒だったとか?」





「違うよ…もっと小さい頃。

長崎の海で、小学生の時に遊んでもらってた。
でも、忘れちゃったよね…ごめんなさい。気にしないでください」





私の言葉にみっくんは少し考えて、でもイマイチしっくりきてないみたいで。





「…そっか。ごめん、ほんとに忘れたかも…。

名前聞いたら分かるかも。教えてよ」




「渡辺…Aです。

あ、弟も遊んでもらってたよ?高嗣!」




「渡辺…A……高嗣……



あっっっ!!!!わかったかも!!!!!すっげー偶然!!!」





思い出してくれたみたいで、ホッとした。

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siori(プロフ) - ずっと拝読しておりました(*^-^*)四年前の恋は運命の恋だと思ってた。ってみっくんsideで書いてあったので、もしや……って思ってたんですけど、それが踏み切れない原因なんですね。切ないっ(>_<)うまくいきますようにっ。ドキドキしてますっ! (2017年3月23日 23時) (レス) id: 3917e78ca0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» お待たせしました!わったーです(o^−^o)わたたいと主人公のドリカム状態開始です←古いですね笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - Mayさん» 深雪は人は見かけによらずを地でいくタイプです!主人公ちゃんの心を掻き回してもらったので、みっくんに頑張って鎮静化してもらいましょう♪ それにしても、我ながら今回のガヤさんのキャラかっこいい…笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - ついにわったー登場♪ (2017年3月22日 20時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
May(プロフ) - 太輔さん、空気読めてさすが〜☆深雪さんはある意味すごいですね、人妻は恐いものがなくなるからなぁ…早く誤解をといてほしいですねー(>_<) (2017年3月21日 21時) (レス) id: 8902c267d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月5日 22時

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