47 ページ47
その人は歯医者が苦手で、前の医院長も困り果てていた。
絶対定期検診にも来ないし、医院長が訪問診療しようとしても頑なに拒否。
遥か昔、まだ医療機器がこんなに発展してなかった頃に通ってた歯医者で相当痛い目に合ったらしく、それを思い出すと吐き気がするくらいの拒絶っぷり。
でも、新しくこの町に来たみっくんは歯医者って素性を隠して挨拶にお家へ行って、すぐに勘づいた。
体調の悪さは、虫歯からだって。
怖いからって放っておくと、命にも関わるって。
機器の発展と、みっくんの腕もあったんだろうけど、虫歯の治療を始めてからみるみる回復していった。
「へー…みっくん凄い人だったんだね」
「そうだよ?気安く接して良い相手じゃないんだからな」
「私幼馴染みだもん。悪ガキのみっくんしか知らないし」
「まぁまぁ。
その件でミツは一気にこの町の有名人になって、俺ら同年代だし、仲良くなれるかなーって思って、海人さんの店にちょうどいた時に声かけたってわけ」
「へー…。じゃあ、二人はみっくんの事結構知ってるの?」
「みっくんの、何?」
「そりゃ…彼女の話とか…」
二人に一番聞きたかった話。
深雪さんからもだけど、初対面の横尾さんからも、みっくんの隣に住んでるって言ったら変な関係があるって思われたんだし。
ってことは、今までもずっと隣に住む女の子に手を出してたってことなの?
「Aは、何を聞いても北山先生への気持ち変わらない?」
「そんなのは分からないけど…知らずにモヤモヤしてる方が嫌なの」
「そっか…。
北山先生さぁ、この町に来てすぐ、隣の部屋に来た海人さんの店のバイトの女の子と付き合ってたよ」
あぁ、やっぱりそうなんだ。
大丈夫、ここまでは全然想定内。
「…毎年…?」
「いや、きちんと付き合ってるって紹介してくれたのは初めの子だけ。
それ以降の子はそんな風には…だけど、俺らに言ってないだけで、本当のところは分からないからさ」
この先の話、私は聞いてもメンタル的に大丈夫なんだろうか。
1136人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
siori(プロフ) - ずっと拝読しておりました(*^-^*)四年前の恋は運命の恋だと思ってた。ってみっくんsideで書いてあったので、もしや……って思ってたんですけど、それが踏み切れない原因なんですね。切ないっ(>_<)うまくいきますようにっ。ドキドキしてますっ! (2017年3月23日 23時) (レス) id: 3917e78ca0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» お待たせしました!わったーです(o^−^o)わたたいと主人公のドリカム状態開始です←古いですね笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - Mayさん» 深雪は人は見かけによらずを地でいくタイプです!主人公ちゃんの心を掻き回してもらったので、みっくんに頑張って鎮静化してもらいましょう♪ それにしても、我ながら今回のガヤさんのキャラかっこいい…笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - ついにわったー登場♪ (2017年3月22日 20時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
May(プロフ) - 太輔さん、空気読めてさすが〜☆深雪さんはある意味すごいですね、人妻は恐いものがなくなるからなぁ…早く誤解をといてほしいですねー(>_<) (2017年3月21日 21時) (レス) id: 8902c267d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくら | 作成日時:2017年3月5日 22時