Blue Lagoon

36 みっくん・side ページ36

４年前の夏は、運命の恋だと思った。





だけどそれはひと夏の恋。

俺はこのまま結婚とかして一緒にいるのかと思ったけど、呆気なくアイツは俺の腕の中からすり抜けていった。






３年前の夏は、何もなくて。
驚く程気の合わない子だった。






２年前の夏は、友達になった。





去年の夏は、挨拶を交わすだけの関係。

その代わり、恋人ができた。






家庭のある人だったけど、別にそれはどうでも良かった。

ぽっかり開いた穴を埋め合えるならそれで。






そして今年の夏は…






灰色な毎日に、彩りが生まれた。






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「みっくん、私東京に引っ越しするんだ」





20年前の夏休み、衝撃的な話を幼馴染みのAから聞かされた。






小さい頃から一緒に遊んでて、ガキなりに好きなのかな？みたいに思ってた子。





いつか大人になったら、俺この子と付き合うのかもなんてほんのり思ってた。





ショックだったけど、夏休みが開けてすぐに同級生の彼女も出来たし、時間が経つにつれてAのことは忘れて行った。






離婚して女手一つで俺を育ててきてくれた母親に将来は楽をさせてあげたくて、親戚筋が医者家系で裕福なのを知ってたから、自然とその道を目指すようにもなってた。





さすがにエリートの外科医とかは無理だったけど、歯科医の免許を取る事が出来た。





勤務先を探そうとしていたところ、親戚のおじさんから関東のド田舎にある歯医者を数年任せたいとお願いされて、この町に来ることになったのが始まり。





ド田舎だけど、町の人たちは温かくて優しくて、数少ない同年代の人とも友達になって、４年の年月はあっという間。





「ミツ、明日からまた隣にバイトちゃんが住むからよろしくね。仲良くしてあげて」




「うぃーっす」





俺の部屋の隣を借り上げてる海人さんから言われ、どんな子が住むのかと思いきや…






「ひっく…っ」






うわ、何か泣いてんだけど。めんどくさ。

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