Blue Lagoon

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「すいません、これください」



「ちょっと、勝手に…！」



「はい、コレで一括で」



「…いいのに…」





私が迷ってた２枚の洋服を掴んで、トコトコとレジへ持っていってカードで清算しちゃった。





「はい」




商品の袋を満面の笑みで渡させるから、「受け取れない」なんて突っぱねられなくて素直に貰ってしまった。






「…ありがとうございます…」



「いーえ。他は？もうこの際遠慮せず好きなものねだれば？許容範囲なら払ってやるよ」





なんか、コレってさ…





「みっくん、リチャードギアみたい」



「…はい？え、誰？サッカー選手？」




「ちがうよ！




…映画のプリティーウーマンみたいだなって事！

嬉しいけど、美容院代もあったしコレ以上は無理だよ。



みっくん、ほんとにありがとう。もう充分過ぎるくらい」





このまま買い物を続行すると、まだまだ支払いをしそうだから、もう引き上げることにした。




帰りの車の中、昨夜眠れなかった私はウトウト。
だけど、運転席のみっくんは何だか嬉しそう。





「彼女と買い物行くって、こんな感じなのかなー。


悪くないよな、こんな風に金使うのも」




「もったいないよ、幼馴染みにこんな風に買ってくれるとかさ」




「…かもなー。ま、でも俺も楽しかったし。非日常だからしてやれることだな。


さて、眠かったら寝ていいからなー」




車に揺られてウトウトする中で、ぼんやりと考える。




彼氏と買い物は何度もしたことあったけど、知らない内に代金が払われてるとか、どっちを買うか迷ってたら両方サラリと買ってくれるとかさ…


私にとっても、こんなの初めての経験。






そしてそれを喜んでしてるみっくんの心の闇みたいなものを感じざるを得なかった。

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