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朝になった。
結局寝ついては目が覚めてを繰り返したせいで、全然寝た気がしない。
のんきにみっくんは眠ってて…ほんと、羨ましい。
自分だけスッキリしちゃってさ。
とりあえず起きて、朝ごはんの準備を始めた。
昨日買ってきたパンをトースターに入れて焼いてると、ほんのり幸せの香り。
それにつられてみっくんがムクっと起き上がった。
「すげー…いいにおいー」
「…おはよ。パン焼いてるよ、昨日買ったの。食べるでしょ?」
「ん、食うー…。朝メシとかあんまり食わないからいいよなー…」
背伸びをしながら、気持ち良さそうにストレッチしてる。
もう、昨日の事なんか忘れちゃったのかな…
私はそのせいでこんなに眠たいのに。
インスタントコーヒーにお湯を注ぎながらあくびをしてると、みっくんがいつのまにか側にいた。
「ん、何?どうかした?」
「…いや、女の子と朝メシとかいいよな。パンとコーヒーの香りで目覚めるとか最高」
「何言ってんの。彼女とそーゆう朝あるでしょ?」
「ねーし。明け方、深雪が寝てる間に俺帰るもん。
夜勤明けの旦那とはち会ったら修羅場じゃん。ん、うま!トースト」
マーガリンを塗って、豪快にパンにかぶりつきながら言うセリフじゃないよ。
ていうか、どんな付き合いしてんのよ?
「夜勤がある仕事してるの?旦那さん…」
「おぅ。あっちも、偶然ながら医者なんだよね。
ま、俺と違って大学病院の外科医だけどなー」
「ふーん…」
「オイラはしがない田舎の歯医者ですわ」
「…べつに、しがなくないよ。充分立派だと思うけど」
「ありがと。Aってさ、俺が言って欲しい事言ってくれるよなー。
よっ!励まし上手!あげまん!ひゅーひゅー」
「…そりゃどうも」
みっくんは、沈みそうな空気になるとすぐおどけちゃうよね。
そういう所は昔から全然変わってない。
「うますぎるからおかわりしよーっと。
Aも食う?もう一枚」
「ううん、私はいいや」
鼻唄混じりにトーストを焼く姿は、少し寂しそうに見えた。
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siori(プロフ) - ずっと拝読しておりました(*^-^*)四年前の恋は運命の恋だと思ってた。ってみっくんsideで書いてあったので、もしや……って思ってたんですけど、それが踏み切れない原因なんですね。切ないっ(>_<)うまくいきますようにっ。ドキドキしてますっ! (2017年3月23日 23時) (レス) id: 3917e78ca0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» お待たせしました!わったーです(o^−^o)わたたいと主人公のドリカム状態開始です←古いですね笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - Mayさん» 深雪は人は見かけによらずを地でいくタイプです!主人公ちゃんの心を掻き回してもらったので、みっくんに頑張って鎮静化してもらいましょう♪ それにしても、我ながら今回のガヤさんのキャラかっこいい…笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - ついにわったー登場♪ (2017年3月22日 20時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
May(プロフ) - 太輔さん、空気読めてさすが〜☆深雪さんはある意味すごいですね、人妻は恐いものがなくなるからなぁ…早く誤解をといてほしいですねー(>_<) (2017年3月21日 21時) (レス) id: 8902c267d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月5日 22時