Blue Lagoon

30 ページ30

少し沈黙になって、時計の針が進む音とエアコンの音が小さく響く部屋の中。

このまま寝ちゃうのかな？多分もうだいぶ遅い時間だよね。





「おやす…

「なぁ、A」



「あれ、起きてたの？何？」



「今からスゲー事ぶっちゃけていい？」



「…不倫してる以上の衝撃？」




みっくんは少し笑ったけど、言いたいことは別の事みたい。




「ごめん、何？」



「俺さー…好きだったんだよね、Aの事。長崎にいた頃」



「………え？ごめん、え？」




「いや、だから、好きだったんだって。あの頃」



「…」



「…」



「…」



「…」



「…またぁ。さんざん毬みたいって言ってたくせに？冗談でしょ？」



「違うよ、ほんとに。

だから、A達が東京に行っちゃってから俺しばらく引きこもりだったからな」



「そ…うだったんだ…」




人間て、驚きすぎると逆に落ち着いてしまう。




「ありがとう…ございます…」



「何だよその反応ー。…まぁ、中１の好きとか真面目に受け止めるのもアホくさいけどな」



「あの、みっくん…私も…っ

「はぁ、言ったらスッキリした。おやすみー」




私が言いたかった言葉、分かっててわざと遮ってたりする？




こんな事言われたら、目が冴えちゃうに決まってるのに。




みっくんが側で健やか寝息をたててる横で、私はその夜はなかなか眠れなかった。

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す