Blue Lagoon

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じわっと滲んだ涙を堪えて、泣きそうなことバレたらそのまま私の気持ちもバレちゃう。




そんな私の複雑な乙女心を知ってか知らずか、さらにみっくんは爆弾を落とすんだ。




「昔さ、Aがまだ毬だった頃さー…何でか忘れたけど、俺が砂浜でおんぶする事になって、持ち上げたけど重くてヨロけて、二人で海に転んだこと覚えてるか？」




「覚えてるー！私のダイエットのきっかけはソレでもあるんだよ。
子供なりに軽く傷ついたんだから」



「あはは、まじ？ごめんなーあの時。

Aが泣きながら帰っちゃうし、その割りには次に会った時ケロっとしてたしで、俺謝るタイミング無くてごめんって言ってない気がする」



「そうだよ、言われてない！

しかもさ、恥ずかしすぎて忘れたフリするしか無かったんだもん」




「そうだよな、あの時は申し訳ありませんでした」



「…いいけど。もう時効」



「だな！」




あれは、私が11才のお誕生日だった。

夏休みだから高嗣と３人で砂浜で遊んでて、いつも水着を服の下に着てたのに、その日に限って着てなくて。




プレゼント何がいい？って聞いてくれたから、「おんぶして♪」っておねだり。

その時一瞬引きつったみっくんの顔は忘れない。




今では筋肉質なみっくんだけど、当時はまだカリカリだった。
案の定、おんぶしてもらったけどヨロヨロしちゃって、何故か水際を歩くから、そのまま波に足を取られて二人で海岸へダイブ。




恥ずかしくて泣きたい私と、私とみっくんがびしょ濡れになってるのを見てプチパニックで泣いてる高嗣と、茫然自失で座り込むみっくん。

あれは、今思い出してもカオス。

黒歴史って、まさにソレ。





「なぁ、なんでおんぶしたんだっけー？」



「さぁ、何でだったかなぁ」



「なんだよ、教えろよー」



「違うよ、忘れちゃったんだもん」




誕生日プレゼントのおねだりだよ、なんて言えなかった。




そして、爆弾はこの後落とされた。

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