Blue Lagoon

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「別にさー…これと言った面白い人生じゃないんだけど…」



「じゃ、俺から質問するから答えるかんじにする？」



「…うん、言える範囲で」



「じゃ、スリーサイズから」



「…黙秘。おやすみー」





もぅっ！からかってる、絶対。だから大袈裟に拗ねたフリすると、みっくんはケラケラ笑ってご機嫌を取ってくる。





「うそうそ、ごめん。


じゃー…なんで仕事辞めたの？」



「リストラ…」



「え、そーなの？」



「うん。早期退職勧告があって、…辞めるのは不安だったけど、辞めたかったんだよね。でも、辞めれなかった。




だから、その候補に入った時、ショックだったけど、ホッとしたりもして。

逃げたかったのかな、現実から」



「コールセンターだっけ？仕事。あれは大変だよな、よく頑張ったわ、７年だろ？」



「うん。再就職決まらないから辞めたこと後悔した時もあるけど、今は良かったなって思うよ。



いらないって判断された会社にゴネて残っても、厄介者扱いでろくな事になってなかったろうしね」



「そっかー…。でもさ、夏が終わったら、またこっち戻るんだろ？」



「そりゃぁね。…海の家が閉まったら、あの町に残る理由も無いし…」



「…そっか。そうだよなー…働かなきゃ、食ってけないもんなぁ。



あそこはなかなか仕事見つけるのも難しいしな」



「…うん。だからみっくんとも、夏でお別れかな…」






私的には、結構賭けに出た言葉。





しーんって黙っちゃって、困ってる？




「じゃ、質問変えるわ。Aさんの恋愛事情も聞きたいかなぁ」



「恋愛事情…？」



「うん。彼氏は欲しくないの？」





私の賭けはスルーされて、今度は鈍感な質問。

欲しくないわけないじゃん。この年で、無職で、独り身とか将来が不安だし。





「欲しいに決まってるじゃん。…いるよ、好きな人くらい」




「…そうなんだ…。どうなわけ？その人とは」



「…どうだろ。全然、まだ何とも言えないよ」



「ふーん…頑張れよ、応援するわ、俺も」





ねぇ、ガッツポーズとか作ってないよね？




私は今、ちょっとだけど泣きそうになっちゃったよ。

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