Blue Lagoon

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みっくんがランチに来るのは、いつもランチタイムが始まってすぐの時間。

だいたいこの時間はいつも朝と昼のお客さんが入れ替わるから、お店は落ち着いてる事が多い。





朝の売り上げ確認をしていたら、みっくんが無言で食べかけのお皿とコップを持って店内に入ってきた。





「どうしたの？」




「…あちぃ」




「え？」




「外。あちぃ。藤ヶ谷くん、よくあんな席で落ち着いてられるな」





みっくんの視線を辿ると、テラス席は直射日光をサンサンと浴びていて、確かに暑そう。






「あー…太輔の時間は、太陽の方向的に日陰だからかな」



「なるほど。あっちー…エアコン気持ちー」






テーブルにお皿とコップを置いて、エアコンの風が当たるとこでTシャツパタパタしてる。



今なら、何か仲直りできそうな気がする。






「あの、みっく…



「ごめん」



「え…？」



「ごめん。キツい事言って。傷つけちゃったよな」





エアコンをじっと見つめながらだけど、みっくんから謝ってくれた。





「ううん！…私も、ごめんなさい…。みっくんの言うことが図星過ぎて、逆ギレしちゃった…」



「Aがあんな風に怒ったの初めて見てびっくりした。


…なぁ、今夜暇？」



「…うん」



「夕飯行かね？そろそろ都会も恋しいだろ」



「…どっか行くの？」



「うん。たまには俺も、都会行きたいし」





この町はすごく温かくて良い町だけど、若い人がご飯行くとか、遊ぶとか、そういう場所が確かに少ない。

実際、２週間くらいここにいるけど、夜は暇でテレビ見るか飲むかしかないから、寝る時間が早くなってしまった。





「うん！行きたい！」



「よし。じゃあ、何系食いたいか考えといて」




「はーい♪」






やった！仲直りだけじゃなくて、お出掛けの約束までゲットしちゃった。





「Aちゃん、何かあったの？元気になったね」



「全然！いつも元気ですよー」



「ふーん…？」





やば。広海さんにテンションが上がってる事に気づかれた。





私分かりやすいんだよね、昔から。だから誰かを好きになったりすると、すぐバレちゃう。気を付けなきゃ。

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