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「分かりました。面接は以上になります。
結果ですが、二次面接に進んでいただく場合は今週中にお電話差し上げますのでよろしくお願いします。
本日はありがとうございました」
「ありがとうございました。よろしくお願いします」
深々と頭を下げて、面接室から出た。
当たり障り無い面接しかできなかったから、もちろん今週中に電話は鳴らなかった。
つまり、不合格ってこと。
再就職試験もこれで10社め。
だけど、二次面接に進めたのは1度だけだし、そこにも結局採用は決まらなかった。
退職勧告だから、退職金は確かにかなり貰ったけど。
でも、この東京で職も決まらないままじゃ、このお金だってすぐに底をつくに決まってる。
でも、私には帰る実家は無い。
すでに結婚して子供がいる弟夫婦が、実家を建て直して両親と一緒に住んでるから。
もう…どうしようかな…。
そんなこんなで、季節は梅雨になってしまった。
無職期間も2ヶ月になっていて、そろそろ本当に仕事をしなきゃマズい。
とりあえず、アルバイトでもいいから始めなきゃ。
そう思って、今まで見ていなかったアルバイト情報アプリをインストールした。
「あ…コレ、いいかも…」
その中には、1度してみたかった仕事からの求人が載っていた。
ーーーーーーーーー
梅雨の晴れ間。
輝く太陽に煌めく海を眺めて、大きく深呼吸をした。
ここへ来たのは、アルバイトの面接を受けるため。
7月から10月の半ばまでの期間限定だけど、学生時代からずっと就いてみたかった海の家の仕事。
募集年齢もオーナーの希望で25才前後とのことで、ギリギリセーフ。
面接では話が弾み、その場で採用が決まって、2週間後からこの海の家兼民宿に住み込みで働くことが決まった。
まだ小学生の頃、実家は海のすぐそばにあった。
夏は真っ黒になるまで海遊びをしたし、冬は砂浜を砂場変わりにしてたっけ。
父親の転勤で海から離れることになった時は、小5になってたくせに本気で泣いたんだ。
もちろん、大好きな海から離れるのが嫌だったのもある。
だけど、あの時近くに住んでた中学生のお兄ちゃんのことが、私は多分好きだったからなんだと思う。
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siori(プロフ) - ずっと拝読しておりました(*^-^*)四年前の恋は運命の恋だと思ってた。ってみっくんsideで書いてあったので、もしや……って思ってたんですけど、それが踏み切れない原因なんですね。切ないっ(>_<)うまくいきますようにっ。ドキドキしてますっ! (2017年3月23日 23時) (レス) id: 3917e78ca0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» お待たせしました!わったーです(o^−^o)わたたいと主人公のドリカム状態開始です←古いですね笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - Mayさん» 深雪は人は見かけによらずを地でいくタイプです!主人公ちゃんの心を掻き回してもらったので、みっくんに頑張って鎮静化してもらいましょう♪ それにしても、我ながら今回のガヤさんのキャラかっこいい…笑 (2017年3月22日 22時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - ついにわったー登場♪ (2017年3月22日 20時) (レス) id: 84a8c23914 (このIDを非表示/違反報告)
May(プロフ) - 太輔さん、空気読めてさすが〜☆深雪さんはある意味すごいですね、人妻は恐いものがなくなるからなぁ…早く誤解をといてほしいですねー(>_<) (2017年3月21日 21時) (レス) id: 8902c267d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月5日 22時