恋のsignal ２nd

47 ページ2

〜北山さん・side〜



その合コンの日、待ち合わせの場所に行ってみて驚いた。




「おい、なんで淳太いんの？」




「さぁ。一人足りないから聞いてみたら、アッサリOK出たから。

杏奈と別れてる時期なんじゃねーの？」




「杏奈を忘れたいのに、杏奈の彼氏と飲み会かよー…」




「よっ。お疲れー」




淳太はいいやつだと思う。

新入社員時代からずっと仲良かったし、話してて楽しいし。

でも、何故か俺らの間で杏奈の話はタブー。

今夜こそ、ハッキリさせる良い機会なのかもな。





アラサーの男女８人で、何だか異様にリアルな焦燥感を感じる飲み会。

幹事の女の子は分かりやすく大倉の事を狙ってるし、周りの子もそれのアシストに来たって感じ。




俺と淳太と、もう一人大倉の友達も生暖かく見守りつつ、ちょうど淳太と二人になるタイミングが出来た。





「…なぁ、聞きたいことあるんだけど」




「うん、いいけど。カウンター行く？」





多分、淳太も察したな。

グラスを持って、二人でカウンター席へ移動した。





「ミツが聞きたいのは、杏奈のこと？」




「…そう。お前らさ、どーなってんの？」




「どうって…今まで通りだよ。くっついたり、離れたり。

今は、離れてる期間」




「何で離れんの？」




「知るかよ。あいつが離れんだもん。

でも、俺は離れられたからって他に女作るとかはしないけど。

あいつが帰ってくるのは、最終的には俺のとこって思ってるし」





「…どっから来んの？その自信」





「わかんないけど。


…でも、ミツが付き合いだした時はちょっとびっくりした。

あいつ遊び回ってユルユルだけど、俺の友達とってのは初めてだったからさ。

それなりに、好きだったんじゃない？お前のこと。



…って、悪ぃ。こんな話聞きたくないよな、俺なんかから」




「おー…。最高に腹立たしいわ」




「俺だって、ミツが杏奈と付き合うって聞いた時は暴れたんだけど」




「…マジ？」




「マジマジ。


…ちょうど良いからさ、ハッキリ伝えておくわ。

杏奈のことは、忘れて。もう諦めろ」





グッサー。




めっちゃストレートに言われて、思いっきり落ち込む。

だけどここまでハッキリ言われたら、了解するしか無いし、淳太に勝てないかもって思った。





だから…






「おいミツー、飲み過ぎなんだけどー」





今夜、俺は久しぶりに酔い潰れた。

48→←46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す