57 藤ヶ谷・side ページ7
昨日、親会社の営業部長から呼ばれて、うちの営業課長と一緒に朝イチで向かった。
子会社の俺の会社は、まぁ都心の高層ビル群の一画を担うビルにオフィスを構えてるからそれなりにお洒落だし綺麗だとは思ってる。
だけど、親会社はこのビル1棟全てが所有物。
多少テナントはあるけど、殆どが同じ会社。
ここに来る度に、少なからずの劣等感を感じずにいられなかったりする。
応接室に通されて、予定時刻より10分過ぎた辺りで、営業部長が部屋に入ってきた。
「遅れて申し訳ありません、わざわざお越しいただいたのに」
「いえ、気になさらないでください」
部長と課長の何とも言えない上下関係を観察しながら、二人で交わされる他愛ない話を軽く耳に入れる。
「…で、本題なんだけど」
「はい、この前仰っていた話ですよね…?」
「そうそう。稟議も通ったから、本格的に手続きを取りたいんだ」
「はい…。藤ヶ谷にとっても、スキルアップになる、この上ない話だと思います」
「え…?」
どうやら、二人の中では固まってる話みたいだ。
この異様な空気、話を聞いて納得した。
ーーーーーー
昼前には自分の会社に戻り、課長は打ち合わせがあるから、と1階に入るカフェに入って行った。
俺はそのままオフィスへ戻り、デスクへ行った。
「お帰りなさい、ガヤさん、昨日作った見積りなんですけどー…」
いつものように、弟みたいに人懐っこく書類を見ながら話しかけてくる玉森の話も若干耳に入らない。
「藤ヶ谷さん、この前言ってた企画書に添付する宣伝広告、こんな感じでいいッスか?」
自分で頼んでおいた書類を作って持ってきてくれた北山の話も、上の空。
「…どうしたんスか?起きてます?」
「え…あ、悪い。えっと、広告だよな…」
「…はい…」
怪訝そうな顔で、北山と玉森は顔を見合わせて首をかしげる。
気を取り直して、二人の持ってきた書類に目を通して、給湯室へ向かった。
コーヒーでも飲んで、落ち着こう。
というか、集中力が無さすぎる。
くだらないミスをして、さっきの話が流れちゃうんじゃないかって怖くなった。
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さくらんぼ(プロフ) - もぐりんさん» コメントありがとうございます!ミツ担さんなんですね♪今回は、ガヤさんを選びました…お話はもう少し続きますので、良ければお付き合いお願いします(o^−^o) 主人公、幸せになって欲しいです♪ (2017年2月23日 9時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - Mayさん» 一晩かけて、ゆっくり…の続きを作りましたので、お時間あるとき読んでもらえると嬉しいです♪ (2017年2月23日 9時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
もぐりん(プロフ) - 初コメントです。いつも楽しく読ませて頂いてます。藤ヶ谷さんに決定なんですねー!私、北山担なので、なんだか残念です。。でも、主人公ちゃん、幸せになってほしいです。にしても、こんな会社に勤めてみたい(笑)更新、楽しみにしています。 (2017年2月21日 21時) (レス) id: bf8103fd1d (このIDを非表示/違反報告)
May(プロフ) - 一晩かけて、ゆっくり…想像しただけで鼻血が…(*_*)さすが藤ヶ谷さん! (2017年2月20日 13時) (レス) id: 8902c267d0 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ★mmiioo★さん» グズグズゆらゆらしてましたが、選んでいただきます!続きもよろしくお願いします♪ (2017年2月18日 15時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2017年1月1日 14時