君と僕らの明日 part２

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週末の居酒屋は、きっちり二時間半で席を空けるようお願いされてしまう。





お会計の準備を離れた席でしていると、北山くんが何やらカラフルなドリンクを持ってきてくれた。





「はい、お疲れさま」




「あ…ありがと。何？これ」




「マンゴーシェイクなんちゃらってデザートドリンク」




「こんなのフリードリンクに入ってないけど…」





「うん。だから、これは個人的にAにプレゼント。はい、お金」





ドヤ顔で五百円玉を渡された。





「いつもありがとな、飲み会の段取り。お前に甘えてばっかりだし」





「ほんとだよー…。

ま、でもいいや。私の存在意義とかそれくらいだし」





「そんなことないよ、寂しいこと言うなって。



…この後、デートすんだろ？藤ヶ谷さんと」






「…うん」





「…そっか。いってらっしゃい」





頭をクシャって軽くされて、何とも言えない視線。

それが直視できなくて、目を見ずに笑ってごまかした。






ーーーーーー






宴は解散して、みんな二次会へ流れていく。

もちろんその中には北山くんや玉ちゃんもいて、それぞれモデルに囲まれて楽しそうに笑ってる。






それを見て、少し安心した。

私が二人の気持ちに応えなくても、心配する必要ないんだって。






私は、今選ぼうとしてる人を見つめてればいいんだって。






解散からしばらくして、スマホが震えた。






『もしもし、Aちゃんどこにいる？』





「駅前のコンビニの近くです」





『オッケー。すぐ行くね』






間もなくして藤ヶ谷さんが小走りでやってきた。

送別会の間は全く話せなかったし、まともに顔を合わせるのは久しぶりのような気がする。






「お待たせー。ごめんね、待ったでしょ」





「いえ、大丈夫です。藤ヶ谷さんこそ、本当に二次会は行かないんですか？今日の主役なのに…」





「二次会なんか、モデルと仲良くしたいだけだから大丈夫だって。

北山と玉森が行ったからあの子達も満足だろ」






「でも…っっ」






いきなり優しく摘ままれた両ほっぺ。

見上げると、悪戯に笑う藤ヶ谷さん。







「行こっか、寒くなってきたし」






「はい！」






差し出された手にそっと触れると、力強く握ってくれた。

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