君と僕らの明日 part２

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重なるって言っても、ほんとにかするだけみたいなキスで。
これ、１度したってカウントするの？っていうくらい。





「ごめん…嫌だった？」





まだ、すぐ唇が重なりそうなくらい近い。

おでこをコツンって合わされて、条件反射で思わず目をきゅって閉じた。






「そんな可愛い反応されると、意地悪したくなっちゃうよね」





「…っ藤ヶ…っ」





二回目のキスは、さっきと全然違う。





噛みつくみたいなキス。





何度か角度変えて唇を重ね続けて、私の反応探るみたいにそっと下唇が舐められた。






「それは、だめ…っ」






またしても条件反射。
藤ヶ谷さんの胸をそっと押し返す。






「そっちこそダメ。Aちゃんが悪い…ちゃんと拒まないから」






「すいませ…

「謝んなくていいから。もっとちゃんと拒んで」





そう言って降ってくる甘くて深いキス。

まともに息継ぎできないからなのか、だんだん頭がボンヤリして、よろけてしまった。







「…っと、大丈夫？」






「すいません…」






腰を支えられて、キスが終わった。







恥ずかしくて顔が上げられなくて、藤ヶ谷さんの腕のシャツをギュって掴んだ。






「優しいだけじゃさ、Aちゃんのこと捕まえられなさそうだから。

強引なことしてごめん。ちょっと焦っちゃったね」





「…」






返しが分からなくて、小さく首を振った。

こんな時、素敵なイケてる女はどうするんだろう？
自分の引き出しの乏しさに呆れてくる。






「じゃ、またね。おやすみ」






頭をクシャってされて、藤ヶ谷さんは駅の方へ歩いて行った。







部屋に入って一人になって、ようやく我に返る。
で、さっきのキスを思い出して、鞄を放り投げてベッドに突っ伏した。







甘くて、ふわふわした気持ちになって、いたたまれなくて、側にあったクッションをぎゅーーーって抱き締めた。







自分でビックリ。
時間差でだけど、こんなに藤ヶ谷さんとキスして浮かれてるんだから。

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