君と僕らの明日 part２

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「Aちゃんさ、俺の事大人で落ち着いてるとか思ってる？」


「思ってます！大人で、落ち着いてて、王子さまみたいに素敵で、レディーファーストで…

「そんな他人行儀な評価、いらないんだけど」





とにかく藤ヶ谷さんは素敵って事を伝えたかっただけなのに、それを遮られてしまった。

その表情はどこか寂しそう。なんで？褒めたのに。





「もっと、俺の内面を見て欲しいんだよ。
…そんな感想しか持って貰えないなら、もう素敵な先輩キャンペーンやめるから」



「…すいません、そんな…嫌な気持ちにさせたかったわけじゃないんですけど…」





でも、それは否定できなかった。



素敵で、

優しくて、

カッコ良くて、




そんな誰でも適当に思ってる事ばかり。




図々しいけど、好きな人からそんな風にしかいつまでも思って貰えなかったら、ガッカリするのかも。





「…藤ヶ谷さんは…かっこいいし優しいから…




すいません、私なんかには勿体無くて…」







これも、本当に思ってること。

例えば私も好きになって付き合い始めたとして、絶対すれ違う人みんなから「あのイケメン、なんであんな平凡女連れてるの？」って目で見られそう。







「カッコ悪くて意地悪な方が、Aちゃんから男として見てもらえるならそうするけど」







「もー…それは、充分意地悪です…」





「あはは、そだね。




ダメなんだよね、俺は好きな子はとことん甘やかすタイプ。意地悪なんか出来ないから、優しく優しくして丸め込みます」







優しい笑顔に安心した。








だけど、その後に聞かされる話に私は驚愕するんだ。








「Aちゃん、俺、10月から親会社に引き抜かれる事になった」







それは、思ってもみないこと。


この前の北山くんの事も重なって、一瞬思考回路が止まった。

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