君と僕らの明日

48 北山・side ページ48

次の日、午前の研修が終わってお昼を食べおわってから、夏希ちゃんにコソっと呼ばれた。




「どうした？」



「あのね、今夜空いてる？」



「あー…」




空いてるっちゃ、空いてる。昨日と同じで、同期の男連中とまた飲みに行こうって言ってたし。

昨夜は、完全100％健全なお店。
でも、今夜は打ち上げも兼ねて、ちょっと女の子がいる店にしようかと目論んでたり…

声かけられたら誘うしかないか。みんなごめん。




「同期で飲みに行くけど。夏希ちゃんも来る？」


「ううん、私はそれは遠慮しておく。



あのさ…北山くんのこと、久しぶりに会ったら気になって…その…」





あ…
なんだ、そーゆうことか。
今から、夏希ちゃんに告白されるんだ。

でも、今は他の女の子となんて考えられない。
そんな自分にも驚いてたりするけど。




「彼女、いないんでしょ？Aから聞いたけど…しばらくいないと思うよって。

なら、私と付き合ってくれないかな…」





その言葉に、地味にショックを受ける。
彼女がいないのは間違いじゃない。だけど、夏希ちゃんがこの行動に出る前に少なからずAに相談してて、背中を押されたってことだよな。




「…北山くん？」




「…えっ！？あ、ごめん…。

彼女はいないの間違いじゃないけどさ…俺、好きな子はいるよ？」





そしたら、夏希ちゃんは目を見開いて驚く。





「え…好きなだけ？」



「どういう意味？」



「北山くんて、好きならガツガツいくイメージだったから…」




そうだよな。自分でも、そんなイメージだった。
こんなグズグズ、近くに二人もライバルがいるのに、行動を躊躇うタイプだなんて。





「結構なイメージだな。

…俺だってさ、関係壊したくないとか思うと怖くて動けないこともあんの。情けねぇよな」





勇気出して動いても、あんな遠回しな言い方しか出来なくて案の定伝わらないのに。





「そっか…ごめんね、変な事言って！忘れて、大丈夫、私も気の迷いかもしれないし！」




「…うん。ごめんね、夏希ちゃん。今夜飲みに来る？」




「うん。みんなも誘っておくね！」




あたふたとしながら、夏希ちゃんは去っていく。




はぁ、とため息をついて、時計を見るともう昼休憩は終わる頃。





考え事もさせてくれないわけですね。。。。

急いで研修室へ戻った。

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