君と僕らの明日

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ここはハワイ風なメニューが多くて、名物はロコモコ丼。

二人ともそれを注文して、来るまでに紗世さんに相談することを決めた。





「…紗世さん、彼氏作らないって思ってる時に限って、やたらとイイ感じになる人が出てくるのは何故でしょうか？」


「え？何、その不思議な質問」


「…言いにくいんですけど…世にもカッコいい王子様みたいな先輩と、うさぎちゃんみたいな可愛い後輩から好かれたら、


紗世さん、どっち選びます？」


「それって…」






紗世さんに意味は通じたみたいで、目を丸くして、でも少し笑った。






「そこに、リスみたいな元気な同期君は入ってないの？」


「え…。


なんで分かるんですか？そこまで…」



「ふふふ、王子からは直接相談乗ってたし、リスは見てれば分かるし。



あ、でもうさぎちゃんはちょっと驚いた。あの子フワフワしてるから、ちょっと分かりにくくて」



「そうなんですか…。北山くんは、直接言われたわけじゃないから…




ちょっと、匂わされた？みたいな」



「Aちゃんは彼氏いないんでしょ？どうして今は彼氏作らないって思ってるの？」




そこで、初めて紗世さんに年始の怪しい占い師の話と、大学の先輩をした。

怪しいくせに、何故か当たってるから、今年は恋愛はしないって思ってたのに。






「でも、今年はAちゃんにとって天国みたいな１年ってのも当たってるよね。



３人から好かれるなんて、最大のモテ期じゃない」


「…そうですけど…」


「中途半端な事して誰かを傷つけるとかしなければ、すぐ決めなくて多少選ぶ期間とか作ってもいいと思うけどな。




でも…」


「でも…？」


「モタモタしてたら、別の女の子に持ってかれちゃうかもよ？３人とも、ほっとかれないだろうから。




最終的にAちゃんが傷つく結果になるとかは、見たくないから」


「…ありがとうございます」


「ま、私はどうしても太輔贔屓になっちゃうけど。同期だし、相談受けてるし。


最後決めるのはAちゃんだからね」


「ふふふ、はい…！」





ちょうど届いたロコモコ丼は、評判通りすごく美味しかった。

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